『アルセスト』

Alceste

台本/キノー
音楽/リュリ
ジャンル/悲劇
初演/1674年
再演/1706年16年
28年39年57年
フランシュ=コンテ征服を祝うヴェルサイユ
における『アルセスト』上演(1674年6月4日)

解説

リュリとキノーによる本格的な音楽悲劇の第一作となるこの『アルセスト』はボワローやラシーヌを始めとする反オペラ派(いわるゆる古代派)とシャルル・ペローたち擁護派(近代派)による論戦を引き起こした。反オペラ派はオペラを怪物と呼び、擁護派たちはオペラを、悲劇、喜劇につぐ、第三のジャンルとみなすよう呼びかけた。

プロローグ

舞台はチュイルリー宮と庭園。セーヌ川のニンフがチュイルリーの遊歩道で英雄の帰りを待ちあぐんで嘆いている。栄光の女神が現われ、きっと自分が英雄をここまで導いてきてあげようと約束する。セーヌ川のニンフがみんなを呼び集め、英雄がいつ帰ってきてもいいように,庭園を歌と踊りで飾る。

第一幕

  アドメート王とアルセストの婚礼の場.アルシード(ヘラクレス)とその侍従のリュカスが舞台に登場し,アルシードはアルセストを愛しているから,こんな不愉快な場にはいたくないと言う.リュカスはそんなことをしたら大騒ぎになるから最後まで残るように諭す.アドメート王のライヴァルであるリコメード王の侍従のストラトンが登場し,入れ違いに立ち去ろうとするリュカスに,彼に愛を約束してくれたアルセストの侍女であるセフィーズをリュカスが愛していることで非難する.そこにセフィーズが現れ,ストラトンへの愛を約束する.アドメート王の隣の国王リコメード王が登場し,アルセストにたいする愛は友情に変わったと述べ,二人の婚儀を祝福するために船を用意したからと,アルセストを船に招待する.二人が乗り込み,それにアルシードとアドメート王が乗ろうとすると,橋が落ち,海に落ちる.リコメード王はアドメート王に追ってきたら殺すと脅かす(上の絵).

第二幕

ストラトンはセフィーズが不実なのを非難する.リコメード王がアルセストと登場し,彼女をアドメート王には返さないと述べ,町に入れる.そこをアルシードとアドメート王が攻撃する.リコメード王は殺されたが,アドメート王も瀕死の重傷を負い,アルシードはアルセストをフェレスの手に戻し,裏切られるのを怖れて立ち去る.アドメート王が瀕死の重傷で現れ,アルセストが助かったことを知ると,喜んで死のうとする.そこにアポロンが登場し,彼の王国で彼のために命を投げ出すものを見つければ,死を免れるだろうと告げる.神殿を建て,国王のために命を捧げた者のためを永遠に祭ることにするとも述べる.

第三幕

フェレスは老いを理由に,セフィーズは若すぎるのを理由に,アドメート王のためにだれも死のうとしないのを見ると,アルセストは自分が死ぬ決心をする.アドメート王は急速に快復し,それをアルセストとともに祝おうとするが,彼は神殿にアルセストが祭られているのを見て,彼女が自分のために死んだことを知る.彼の後悔の念には悲しみと苦悩がともなっていた.アルシードが登場し,アルセストを取り戻すとアドメート王に約束する.ただし彼女が自分のものになるという条件を付ける.アドメート王は決心が付かなかったが,二度と彼女を見られないよりは,他人の手のなかにある彼女を見るほうを選択して,彼に同意する.

第四幕

アルシードは地獄に到着し,豪華な地獄の宮殿にプリュトン(右の絵),プロセルピーヌとともにいるアルセストを見出す.アルシードはプリュトンに,愛に導かれてアルセストを連れ戻しに来たのであって,お前を討ち滅ぼしに来たのではないと説明する.プリュトンはアルセストを返す.そして二人を車にのせ地上へ送り返す.

第五幕

地獄の覇者のアルシードを祝福するための凱旋門が舞台に置かれる.アルシードがアルセストを連れて登場する.ストラトンは解放され,セフィーズに自分かリュカスを夫として選ぶように求める.セフィーズは自分はつねに誰かを愛していたいので,決して結婚はしないと答える.アルセストがつねにアドメート王のほうを向いていることに気づいたアルシードは非難するが,二人が離ればなれになるのをひどく苦しんでいるのを見て,独裁者を退治たあとで自分が独裁者になるべきではないと考え,アルセストをアドメート王に返す.アポロンがミューズたちと下りてきて,アドメート王の結婚とアルシードの勝利を祝って,幕が下りる.

ディスコグラフィ

ASTRÉE E 8527
合唱・オーケストラ/La Grande Écurie et La Chambre du Roy
指揮/ジャン=クロード・マルゴワール
アルシード/ジャン=フィリップ・ラフォン
アルセスト/コレット・アリオ=リュガース
アドメート/ハワード・クルーク
セフィーズ/ソフィ・マラン=ドゥゴール
リュカス/ジル・ラゴン

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