『アマディス』

Amadis

台本/キノー
音楽/リュリ
ジャンル/音楽悲劇
初演/1684年
再演/1687年1701年
07年18年31年40年
59年71年

解説

13世紀から15世紀にかけてポルトガル、スペイン、フランスで流行した騎士物語の一つがテーマになっている.キノーがもとにしたエルブレ・デ・ゼサールの『ガリアのアマディス』は恋愛物語満載の25巻もの大河小説(1540年から1610年にかけて出版された)である.1680年代中ごろにはルイ14世の宮廷に非常に深い変化(政治のあり方から、ものの感じ方まで)があり、このオペラがアマディスという「愁いを帯びた騎士」を主題にしたのもその表れであった。もちろんこのオペラの主題も選んだのはルイ14世自身であるということは、忘れてはならない。

プロローグ

アルキフとユルガンドは彼らの従者たちとともに魔術にかけられて眠っている。稲妻と雷が彼らの眠りの魔術を解き、アルキフとユルガンドは目を覚まして、魔術の終わりを宣言する。彼らを見張っていた精霊たちが、稲妻と雷の音を合図に飛び去り、アルキフとユルガンドの従者たちは踊りや歌で、魔術が終わった喜びを表現する。二人は、かつて世界を支配したアマディスが甦るまでの眠りの魔術にかけられていたのだが、いまやアマディスが甦るときが来た。彼らはアマディスを永遠の夜から取り戻して、彼の支配のもとで平和に暮らそうと歌う。

第一幕

舞台はグランド・ブルターニュ国の首都近くの凱旋門.ガリア国王ペリオンの私生児であるフロレスタンが戦から帰ってくる。彼はアマディスに出会うが、アマディスはグランド・ブルターニュの国王リスナールの娘オリアーヌを愛していると彼に打ち明ける。アマディスはオリアーヌが一度は自分を愛してくれたのに、今では拒むようになったと嘆き、彼女を愛しつづけたいと言う。フロレスタンは相思相愛の恋人のコリザンド(グラーヴザンドの女君主)と再会する。コリザンドは一緒に国を統治をしてくれるように申し出る。二人は嘆き悲しむオリアーヌに出会う。オリアーヌの悲しみの原因は、アマディスが別の女性を愛しているいて、アマディスが見せる悲しみは見せ掛けに過ぎないということにある.
オリアーヌを称えて、二つの陣営で戦闘競技が行われる.オリアーヌは勝利した陣営の長に月桂樹と花咲くキンバイカ(アフロディーテの花とされている)の冠を与える.彼らの合唱がオリアーヌの魅力を称える.

第二幕

女魔術師のアルカボンヌは、ある日怪物に襲われているところを名も知らぬ英雄に助けられてからというもの、その英雄に恋をしてしまい、物憂さに陥っている。兄のアルダンを殺した宿敵のアマディスに復讐しなければならないのに、愛に現を抜かしていると言って、兄のアルカラウスはアルカボンヌを叱る。アマディスの名を聞くとアルカボンヌの中にも激しい怒りが甦る。復讐を誓って二人は気勢をあげる.
アマディスが森の暗さを求めてやってきて、密かな愛の苦しみを嘆く。そこへコリザンドもやってきて、アマディスに気づかずに、愛の嘆きを歌う。アマディスに気づくと、コリザンドは愛するフロレスタンが誰とも知らぬ女性の魔力の虜となって連れ去られたから、助けに行って欲しいと懇願する。
二人が橋にさしかかると、アルカラウスがでてきて、行く手を阻む.そこにはアルカラウスが殺した戦士たちの数だけの木が印として植えられている。アルカラウスはフロレスタンもここで殺したと言う。コリザンドが彼を返してと叫ぶと、アルカラウスの従者たちによって連れ去られる。アルカラウスが地獄の精霊たちに助けを頼むと、ニンフや羊飼いの姿をした悪魔たちが出てきて、アマディスを魔法にかけてしまう。魔法にかかったアマディスはオリアーヌが目の前にいると思い込んでしまう。そしてオリアーヌとこうして会えることの喜びを歌い、剣を置いて、偽のオリアーヌについて行ってしまう.

第三幕

舞台は荒廃した古い宮殿で、アルダン・カニル(魔法使いのアルカラウスの兄でアマディスに殺された)の墓石や、囚人たちが閉じ込められている独房があり、フロレスタンとコリザンドも別々の独房に閉じ込められている。囚人たちが嘆きの歌を歌うと、牢番たちが死ぬまでここから出られないと答える。フロレスタンとコリザンドも彼らの宿命を嘆く.
アルカボンヌが空飛ぶ悪魔たちに支えられてやってきて、囚人たちを独房から出させる.彼らの苦しみを死によって終わりにしてやろうということなのだ.フロレスタンとコリザンドはアルカボンヌの怒りを和らげようと試みるが、死んだ兄アルダン・カニルのためのアルカボンヌの復讐心は強く、二人は最後には一緒に死ねることに慰めを見出す。
アルカボンヌが兄のために復讐を誓うと、アルダン・カニルの亡霊が墓から出てきて、アルカボンヌは自分を裏切るだろう、そしてもうじき自分のもとへやってくることなると告げて、また自分の墓の中にもどる。
魔術にかけられたアマディスがアルカボンヌのところへ連れてこられる.アルカボンヌに殺されることになっている。アマディスを短剣で突き殺そうとしたその瞬間、アルカボンヌはかつて自分の命を救ってくれた恩人がアマディスであることに気づき、恩返しとして、アマディスだけでなく、他の囚人たちもすべて解放してやる.解放された囚人たちが喜びを歌う。

第四幕

舞台は心地よい島。オリアーヌはこの島に連れてこられる。アルカラウスはオリアーヌにアマディスの死体を見せて苦しませてやろうと企んでいる。アルカボンヌが来て、自分が愛しているのはアマディスのことだったと告げる。アルカラウスは兄アルダン・カニルの無念を忘れたのかと激昂するが、アルカボンヌはアマディスへの愛と、自分のライバルであるオリアーヌへの憎悪とで引き裂かれる.だがやってきたオリアーヌを見て、憎悪をたぎらせる。
オリアーヌがやってきて、誰も助けに来てくれないこと、アマディスからは捨てられたのにいつまでも忘れられない自分の悲しさを嘆く。アルカラウスがオリアーヌに自分はアマディスに勝利したと告げ、そんなことはありえないと否定するオリアーヌに、死んだように横たわったアマディスを見せる.オリアーヌはそれを見てアマディスがいなければもう生きていけないと言って、失神する。アルカラウスとアルカボンヌは彼らを見て喜ぶ。 炎に包まれた岩が近づいてくる。炎が退くと、大蛇の像の下に船が見え、そこからユルガンドとその従者たちが出てくる。ユルガンドはその棒でアルカラウスとアルカボンヌを動けなくし、従者たちが花々の香でアマディスとオリアーヌにかけられている魔法を解き、彼らを船に運ぶ。ユルガンドは船に戻る前に、もう一度棒で二人に触れると、二人は自由になり、地獄の悪魔たちを呼ぶ。空気の悪魔たちが地獄の悪魔たちと闘い、打ち倒す。アルカラウスとアルカボンヌは絶望して、自殺する。

第五幕

舞台はアポリドンの魔法の宮殿.忠実な恋人たちのアーチと、禁じられた部屋があり、そのなかには最も忠実な愛する男と最も完璧な女の出現を待つために、アポリドンに魔法をかけられた英雄たちやヒロインたちが閉じ込められている。 ユルガンドはアマディスにもうじきオリアーヌに会えると告げる.アマディスは彼女の怒りを心配する。オリアーヌが目覚め、二人は再会を喜ぶ.オリアーヌはアマディスがブリオラニーを愛したことで非難するが、けっして愛がなくなったわけではないのだ。二人はお互いの愛を確認して歌う。

オリアーヌ
すべてがあなたに語っています、
私があなたを愛していると:
私の涙、この上ない苦悩、
そして私の恨みまで、
すべてがあなたに語っています、
私があなたを愛していると.
アマディス
あなたに約束します、
けっして消しはしないと、
かくも美しい愛の炎を;
あなたに約束します、
永遠の愛を.

ユルガンドはアマディスとオリアーヌの心が再び結ばれたことを喜び、他の男性と結婚させられようとしていることを心配するオリアーヌに、自分が父親を説得すると安心させる。ユルガンドはアマディスに試練を受けるようにと命じ、アマディスは忠実な恋人たちのアーチをくぐって、オリアーヌと一緒に禁じられた部屋へ向かう。そのときその部屋が開き、かつてアポリドンに幽閉された英雄とヒロインたちが二人を向かえて、最も忠実な恋する男と最も完璧な恋する女として二人を認めてくれる。一同は踊りと歌で喜びを表現する。

ディスコグラフィ

ACCORD B000HD1OAK
オーケストラ/ラ・サンフォニー・デュ・マレ
指揮/ユーゴ・レーヌ

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