『アレトゥーズ』

Aréthuse

台本/アントワーヌ・ダンシェ
音楽/アンドレ・カンプラ
ジャンル/オペラ=バレエ
初演/1701年
再演/1752年(改題版)
58年(ドーヴェルヌ作曲版)、62年(左同)

解説

オウィディウスの『変身物語』から主題を借用したもので、アレトゥーズがアルフェから逃げ回る場面が主な展開となっている。
1701年の初演ではほとんど成功しなかったが、1752年8月22日、つまりイタリアのブフォンの一座がイタリア語のインテルメッツォを上演し始めた頃に本編だけが『アルフェとアレトゥーズ』と改題されて上演されている。さらに1758年にはドーヴェルニュが音楽を付け替えたものが上演されている。これが1762年にも再演されている。

プロローグ

場所はマルリーの庭園(ヴェルサイユのこと)で、セーヌ川のニンフが花々によってここを飾り、鳥たちによって甘美な音楽を奏でさせ、緑の野原には小川を流れさせて、その流れの音楽で鳥たちに呼応するようにと呼びかける。彼女の歌にならって、みんなが「この場所を見た人がここは/神々の居所ではないかと疑いますように」と歌う。そしてここの主人公は愛の神である。愛を感じたことがない心もすでに愛に燃えている心も、愛の王国に従うようにと呼びかける。そしてこの庭園の主人である王の統治を祝福し、最後にセーヌ川のニンフが愛の神から逃げ回ったニンフの話をしようと言って、本編に話をつなげる。

第一幕:冥界

舞台は冥界のプリュトンの宮殿である。
アルフェは愛するアレトゥーズを追って冥界のプリュトンの宮殿まで来てしまった。アレトゥーズはディアーヌの導きでここに匿われているのだ。プリュトンはプロゼルピーヌとの経緯を話し、一途さを捨てずにいれば、願いは叶うと諭し、これから祝宴があるから、姿を隠していろと助言する。祝宴が始まると、冥界が華やかな場所に変わり、今は愛の苦しみだけが支配しているという。プロゼルピーヌは、長い間愛の神に抵抗してきたが、愛の神に服従した今のほうが幸せだと話す。そこへアルフェが姿を見せると、アレトゥーズは逃げてしまう。

第二幕:海

舞台は海の底のネプチューンの宮殿。
アレトゥーズが愛の神から逃れてここに来たのですと言うと、ネプチューンは、海はヴェニュスの生まれた場所で、ここは愛の神が支配しているから、ここから逃げなさいと言う。ここには私の宮廷があるから見ていきなさいと勧める。テティスが一途な愛によって幸福な人生を味わうことができると歌う。そこへアルフェが愛の神に導かれてやってくる。アレトゥーズが何度も拒否するのに、アルフェがしつこく心を開いてくれと言うので、ついにアレトゥーズは、あなたについていく、自分が怖がっているのは愛の神の一撃だけで、愛情を感じるならあなたに対してだからと言う。だが、ディアーヌがこれに反対していると言う。

第三幕:大地

舞台はエリードの平原。
ディアーヌはエンディミオンから愛されていて、アルフェから逃げ回っていたアレトゥーズと同じように、エンディミオンから逃げ回っている。ディアーヌとエンディミオンは再会し、二人ともお互いへの愛情を隠したまま、苦しみを吐露する。しかしあなたを苦しめるくらいなら死ぬというエンディミオンにディアーヌは思わず本心を口にしてしまう。心を開きあった二人は永遠に愛に生きようと歌う。ディアーヌは愛の神に支配されることを怖れていたけど、恋の苦しみは甘美なものだと言う。愛なしに生きるほうが女神にとっては苦しみだと言う。愛の神に服従したディアーヌを見て、アレトゥーズは愛の神への怖れを強め、愛の神から逃れるほうが栄光に満ちていると語気を強めて言うが、最後には愛を受け入れる。愛の神がやってきて、アレトゥーズが永遠の愛を守るようにと女神にすると言う。民衆の合唱が愛の神を讃えて歌う。

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