『カリロエ』

Callirhoée

台本/ピエール=シャルル・ロワ
音楽/アンドレ・カルディナル・デトゥッシュ
ジャンル/音楽悲劇
初演/1712年
再演/1732年43年73年

解説

1712年12月にオペラ座で初演されたプロローグと五幕ものの音楽悲劇である。初演から大きな成功を収め、1713年3月まで定期的に上演された。ニ世紀の古代ギリシャの地理学者のパウサニアスがギリシャを旅行して見聞したものをまとめた『ギリシャ案内記』(全10巻)の第7巻の「アカイア」のカリドンという町に関する記述から主題を借用したものであるが、この主題はすでに1704年にアントワーヌ・ド・ラ・フォス(1654 – 1708)が『コレシュスとカリロエ』という悲劇で用いたものであった。最近では2006年にモンペリエで、エルヴェ・ニケ指揮、ルネ・ケラン演出で上演されている。

プロローグ

舞台は、甲、甲冑、武器、シュロの枝、月桂樹の冠、勝利者が持ってきた旗で満たされた場所。
勝利の女神が戦利品で満たされた場所に戦士たちを呼び集めていると、正義の女神のアストレが戦いはもう十分だから、世界中が平穏を望んでいる、これからは愛の神の支配に従うべきだと述べる。アストレの従者たちが愛の神や喜びの神々に地上に戻ってくるように呼びかける。

第一幕

舞台は、カリドンの王の宮殿で、コレシュスとカリロエの婚礼のための飾りがしてある。
カリドンの王座を継承することになっているカリロエは、バッキュスの神官長であるコレシュスと気の進まない結婚をさせられようとしていることを嘆く。そこへ母である女王がやってきて、玉座を安全なものにするためにどうしても必要なこの婚礼を滞りなく済ませるようにと言い渡す。カリロエが愛するのはアジェノールで、彼は反乱者たちの手で殺されたと思っている。ところがそこへ死んだはずのアジェノールが密かに帰還する。だがカリロエが他の男と結婚することになっているのを知って、絶望する。カリロエがアジェノールを立ち去らせると、女王とコレシュスがやってきて、婚礼の祝祭が始まる。カリロエが祭壇で結婚の誓いをしようとした時、アジェノールが目に入って、最後まで言えないで失神して、式は中断される。

第二幕

舞台は宮殿の前庭で、奥には守護神の神殿が見える。
希望のないアジェノールとカリロエは再び密かに会うが、カリロエはコレシュスの復讐を怖れて、自分はコレシュスと結婚の意志を伝え、アジェノールに逃げるように言う。アジェノールは絶望するが、カリロエは神々の復讐を怖れているのだ。だがその現場をコレシュスが見て、「私を裏切ったな、不実な女」と言うと、カリロエは「その名に値するようなことはまだ誓っていません」と言って立ち去る。侮辱されたコレシュスは復讐を誓う。

第三幕

舞台は森とパンの牧歌的神殿。
カリロエの母親は、コレシュスに謝罪して彼の怒りを解くようにとカリロエを説得しようとする。コレシュスの怒りのためにカリドンの民までもが苦しめられているのを見て、カリロエは自分だけに復讐をせよと言う。心の底からカリロエを憎悪できないコレシュスはカリロエを死なせる決心がつかず、絶望して立ち去る。カリロエはパンの神の使いに希望を与えてくれるように願う。神託が下されて、「カリロエの血もしくは彼女のために命を捧げる恋人の血を流せ」という。神託を聞いた母の悲しみのそばで、カリロエは自分一人が死ねばみんなが幸福になれると知って喜ぶ。

第四幕

カリロエがカリドンの民のために死ぬことを決意しているところへ、神々の怒りがおさまった理由を知らないアジェノールがやってきて、幸福を喜ぶ。しかしカリロエは神々が自分の命を要求していることを告白する。一人になったカリロエは丘から羊飼いたちが降りてくるのを見て、愛の神に平和を呼びかける。羊飼いたちが愛の神が支配する平和を歌う。生贄の祭壇の前でカリロエの母の家臣たちがカリロエを拘束し、神々に反乱を起こそうとするが、カリロエは女王を守ってくれと家臣たちに訴える。そこへアジェノールが来て、自分の血を代わりに差し出すと告げる。

第五幕

舞台は、バッキュスの神殿を表す。人間の生け贄の奉納のために飾られている。
コレシュスが、ライバルのアジェノールが代わりに死んだことを知って、喜びとも絶望ともつかない心の中を語る。そこへカリロエが来て、すぐに生贄にせよと言う。そこにアジェノールが来て、今すぐ自分の血を流せと詰め寄る。二人から早く生贄にせよと詰め寄られたコレシュスは、二人の高潔さにうたれて、「生贄を選ぶのは私のすることだ」と言って、自らを刺しぬく。コレシュスは「私は満足して死ぬ。私の愛情がお前を混乱させることはもうない」と言って、二人の手を一つにして息を引き取る。

ディスコグラフィ

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