『カルナヴァルとフォリー』

Le Carnaval et la Folie

台本/ラ・モット
音楽/デトゥッシュ
ジャンル/コメディー=バレエ
初演/1703年
再演/1719年、30年、31年
38年、39年、48年、55年

解説

コメディー=バレエと呼ばれるが、このジャンルはモリエールとともに消滅していたので、ラ・モットが彼へのオマージュとして復活させたのだと考えられる。それは1697年にマントノン夫人を揶揄するような芝居を上演しそうになったことでフランスから追放されたイタリア座の俳優たちの風刺を受け継いだ作品が縁日芝居だけでなくオペラ座にも入ってきたことと関係がある。カワートは『喜びの勝利 ルイ14世とスペクタクル政策』において、「パリ・オペラ座は(…)上流階級のエリートの美学的でイデオロギー敵なアイデンティティーのための貴族的な安息の地でもあったので、カルナヴァル、コメディア・デラルテ、フォリーのテーマがイタリア座の追放に続く数年においてパリ・オペラ座の舞台で上演された複数のバレエに使われているのは自然なことである」(p. 196)と指摘している。
このバレエは、オペラ座での初演の前の同年10月14日にフォンテーヌブローの王家の人々の前で上演されている。上記のように、何度も再演が行われている。

プロローグ

舞台は天上界で、神々が祝祭を催している。
ジュピテルとヴェニュスが、愛の神に天上界を支配せよと呼びかける。モミュスがヴェニュスにいつまで愛し続けるつもりかと皮肉たっぷりに尋ねると、ヴェニュスはお前が悪口を言うのをやめる時までだと答える。女神たちも一緒になって、愛の神の支配を望む。神々が手に手を取って踊る。そこへメルキュールが来て、これまで神々の色恋のために仕えてきたし、今でも人間の女たちが神々を待っているから、早く行ってやりなさいと勧めると、神々は愛の神々に導かれていろいろな姿になって天上界を離れて行く。

第一幕

舞台は青春の女神に捧げられた花咲く森。天上界から追放されてやってきたモミュスが、神々のほうが人間よりも無分別だから神々に賛辞を向けるのはやめろと忠告する。そこへカルナヴァルが来たので、これからはカルナヴァルを監視してやると言うと、ここでは平穏が支配し、プリュチュスと青春の女神が愛し合って、フォリーが生まれ、自分はフォリーと愛の絆を結んでいて、もうじき結婚することになると言う。プリュチュスと青春の女神が二人の一途な愛を歌う。舞台はプリュチュスの宮殿になり、プリュチュスと青春の女神の従者たちが踊っている場面にフォリーがやってきて、自分がいないのにこんな祝宴をしないでというフォリーに、プリュチュスと青春の女神はフォリーの乱暴さを治すことはもうできない、彼女に服従しているしかないと嘆く。フォリーが、愛の神とフォリーこそみんなを幸福にするものだと歌うのを見て、カルナヴァルがプリュチュスと青春の女神にフォリーとの結婚に同意してくれと言う。それに同意するとプリュチュスと青春の女神が言うと、フォリーは嘲笑しながら立ち去ってしまう。カルナヴァルは彼女の後を追う。

第二幕

舞台は、肥沃な田舎で、カルナヴァルがフォリーとの結婚をバッキュスに報告し、喜んでくれと言う。ところがそこへフォリーが来て、自分はいつも両親の決めたことと反対のことをすることにしているから、あなたとは結婚しないと言う。結婚とか喜びなんてもう古い、理由なく愛したから、心変わりも気まぐれからだと言い放つフォリーに、カルナヴァルが恨みつらみの言葉を吐くと、フォリーはネプチューンに恩を売って、海に嵐を起こさせる。嵐による難船を避けた船から水夫たちが降りてくる。悲しみの捨て方を教えてくれるとフォリーが言う。水夫たちは難破した船の水夫たちを悲しむが、レテ川の神が自分の川の水を飲めば忘却によって悲しみが鎮められると言う。その水を飲んで気楽になった水夫たちはまた乗船して出帆しようとする。フォリーが彼らを呼び止めて、自分に賛辞を送ってから出発せよと言って、歌とダンスで彼らを勇気づける。それが終わると水夫たちは再び乗船する。カルナヴァルはフォリーに戻ってきてくれと懇願するが、フォリーは立ち去る。カルナヴァルは酒の助けを借りてフォリーへの愛情を断ち切ろうとして、バッキュスやモミュスに復讐を助けてくれと呼びかける。

第三幕

舞台はフォリーの宮殿で、モミュスがカルナヴァルのせいで狂気に陥ったとフォリーを責めると、フォリーはそれほど狂うことができるならかえって愛らしいと言う。理性なんか幸福のためには何の役にも立たないと言うフォリーに、モミュスが愛の忘却の後にカルナヴァルとモミュスは延々と酒を飲んだと言う。フォリーは激怒し、私がいなかったら人間たちは恐ろしい悲惨を感じることになると言って、道化の杖を投げ捨ててしまう。そして倒れる。フォリーの従者たちが苦しみを追放しようと歌うと、フォリーが立ち上がって音楽家たちや狂気の先生や彼の生徒たちを呼び、一種のディヴェルティスマンが始まる。歌と踊りが終わると、フォリーが場所を変えて歌と踊りを続けようと彼らを先導して舞台から消える。モミュスとカルナヴァルの二人になると、モミュスは最初、フォリーが愛情を取り戻したとカルナヴァルを騙す。カルナヴァルは喜び、モミュスに感謝の言葉を繰り返す。しかし最後にはその愛情というのはカルナヴァルではなくてモミュスに向けられたものだと告げる。そして酒の神が君を慰めてくれるだろうと言い捨てて立ち去る。カルナヴァルは二人に裏切られたことに激怒して復讐を決意し、冬の神、風の神々にフォリーの宮殿を破壊してくれと呼びかける。

第四幕

舞台は、風の神々によって荒廃させられたプリュチュスと青春の女神の庭園。風の神々によって起こされた天変地異にフォリーは興奮し、いまだにカルナヴァルが自分を愛していると確信する。フォリーとカルナヴァルは二人になると、カルナヴァルはフォリーを裏切り者、たった一日足らずで自分を裏切った酷い女だと責めるが、フォリーはそうやって嘆き続けているがいいと馬鹿にしたように言う。そこにフォリーの杖をもったモミュスが現れ、それを見てフォリーが誰が渡したのかと激怒する。モミュスは二人を騙して、二人が混乱するのを見て楽しんでいたと釈明する。みんなの混乱した状況を見て絶望したプリュチュスと青春の女神がもうこんな忌まわしい結婚は望まないと言うと、フォリーがそんな気持ちになるのを待っていたから、私が結婚を望むと答える。フォリーは天邪鬼なのだ。そこへジュピテルがヴェニュス、バッキュス、メルキュールを連れて降りてきて、カルナヴァルとフォリーの結婚を祝福する。またモミュスにも無鉄砲さを捨てて自制せよと言うと、モミュスは二人の結婚をけなすことなどできようかと言って、祝祭に参加する。みんなで浮かれ騒ごうというフォリーの呼びかけに応えて、一同が歌い踊って、最後のディヴェルティスマンとなる。

最初に戻る
年表に戻る
INDEXに戻る

inserted by FC2 system