『カストルとポリュックス』37年版

Castor et Pollux

台本/ベルナール
音楽/ラモー
ジャンル/音楽悲劇
初演/1737年

プロローグ

  舞台は戦争によって荒廃した宮殿。荒れ果てた柱廊や破壊されたたくさんの彫像のそばには技芸の神々が呆然としており、ひっくり返されたアーケードの下には元気のない喜びの神々がいる。
 ミネルヴァと愛の神がヴェニュスに、戦の神を拘束して、戦に荒廃した地上を元の平和な場所に戻して欲しいと懇願する。それに応えて、ヴェニュスがマルスとともに降りてくる。
 マルスがヴェニュスとの再会を喜び、人間の王国は愛の神の支配に譲ろうと申し出る。一同は平和の女神、フローラたちに再生を呼びかけ、お祝いとしてこれから上演されるスペクタクルを壮麗なものにしようと歌って、プロローグを締めくくる。

第一幕

  舞台はスパルタの歴代国王の墓所。スパルタ人の一団が、カストルの葬儀のために立てられた記念碑の周りに集まって、彼の死を悼んでいる。テライールは愛するカストルを失った悲しみを歌い、フェベはカストルへの密かな愛をほのめかす。
 ポリュックスが反乱を起したリンセウスの亡骸をはこぶ戦士たちと凱旋をしてくる。一同が勝利の喜びを歌ったり踊ったりする。
 テライールと二人きりになるとポリュックスは、テライールを愛していたカストルの愛情がカストルの死に際に自分にのり移ったのだと告白する。どんなことでも聞こうというポリュックスに、テライールはカストルを生き返らせるようにジュピテルに頼んで欲しいと要求する。愛に打ち勝って弟を冥界から救い出すことこそ、ジュピテルの子であることを示すことになると言う。ポリュックスは嫉妬に満ちた感情に打ち勝ち、ジュピテルのもとに行く決心をする。

第二幕

舞台はジュピテルの神殿の前庭で、そこには供犠のための用意万端整っている。愛を捨て兄弟愛という自然の声を取るか、テライールへの愛を取るか、ポリュックスは心引き裂かれる思いで、ジュピテルの決定を待っている。ポリュックスはこの供犠はあなたのためだと言うが、テライールは神も自分の愛情を自由にできないくらいなのだから、人間は尚更のことと歌う。
 神殿から神官たちとともに神官長が出てきてジュピテルの降臨を知らせる。ジュピテルが降臨すると、ポリュックスはカストルを冥界から取り戻して欲しいと求めるが、ジュピテルは冥界には冥界の法があって、ポリュックスが身代わりにならない限り、それはできないと答える。ポリュックスは自分が身代わりになると申し出る。
 青春の女神エベ(へべ)と従者の喜びの神々が現れ、ポリュックスに愛することの喜びと幸せを教え、身代わりになるのを思いとどまるように諭す。だが、ポリュックスは地獄下りの決意を変えようとはしない。

第三幕

舞台は地獄への入り口で、そこには怪物、亡霊、悪魔たちが見張っている。カストルを救い出しに来たスパルタ王女のフェベは、同じくカストルを助けにポリュックスが来たのを知ると門を閉めさせてしまおうとするが、ポリュックスにいくら冥界行きを止めても言うことを聞かないので、一緒についていくと言う。地獄下りを前にして、ポリュックスはついにテライールへの愛を告白してしまう。フェベに誘導された怪物たちと悪魔たちが出てきて、ポリュックスが冥界へ下るのを邪魔する。そこへメルキュールが下りてきて、その杖で悪魔たちを打ち倒し、ポリュックスとともに冥界に下っていく。

第四幕

舞台はシャンゼリゼを表す。カストルはここですべてが満たされているのに、後悔の念が湧いてくると嘆く。亡霊たちがこの平和で落ち着いた隠棲の地を歌っていると、ポリュックスがやってきてそれを中断する。ポリュックスはカストルに事の次第を説明する。身代わりに、ポリュックスが冥界に残ることを知って最初カストルは渋っていたが、最後には一日だけ、甦って、再び冥界に戻ると約束する。

第五幕

舞台はスパルタ近郊の心地よい光景を表す。カストルが生き返って、地上に戻って行ったことを知ったフェベが、彼への愛を憎しみに変えてしまう。
テライールがカストルの後を追って死のうとしているところへ、カストルが冥界から戻ってくる。テライールは最愛の人に再会できた喜びも束の間、カストルが兄と誓いのために冥界にとって返さねばならないことを知って、絶望する。だが、民衆はカストルの帰還を喜んで歌い踊る。カストルがテライールと一緒に地獄に下りる下りないの押し問答をしているあいだに、神の怒りを示す雷が轟き、大地が揺れる。突然それらが止み、ジュピテルが降臨する。ジュピテルは彼らの友情と愛情を称えて、黄道に彼らの場所を与える。惑星や星座の精霊たちが踊っているあいだに、二人はその位置に収まる。

ディスコグラフィ

HMC 901435.37
合唱・オーケストラ/Les Arts Florissants
指揮/ウィリアム・クリスティ
カストル/ハワード・クルーク
ポリュックス/ジェローム・コレアス
テライール/アニェス・メロン
フェベ/ヴェロニック・ジャン
ジュピテル/ルネ・シレール

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