『ジョルジュ・ダンダン』

George Dandin

台本/モリエール
音楽/リュリ
ジャンル/
初演/1668年

解説

1668年7月、スペインに対するフランスの立場を優位にしたエクス=ラ=シャペルの和約を記念して、国王はヴェルサイユにて盛大な祝宴を催した。そのときに上演されたのがこの『ジョルジュ・ダンダン』である。現代ではバレの部分は削除した形で上演されるが、ここではバレ台本も組み合わせる。

導入部

祝祭の召使に変装した四人の羊飼いが、フルートを演奏する四人の羊飼いを伴って登場し、ダンスをして、結婚した農民の夢想を中断させる。農民が去ると、仲のいい羊飼いの娘クリメーヌとクロリスが、フルートに合わせてシャンソンを歌う。
この二人に恋するティルシスとフィレーヌが現れ、燃える思いを打ち明け、四人で音楽の場面を演じる。ティルシスとフィレーヌがそれぞれクロリスとクリメーヌに恋を告白するが、二人は拒否をする。ティルシスとフィレーヌは思いが受け入れられないなら死んだほうがましだと言う。

第一幕

田舎貴族ド・ソタンヴィル氏の娘アンジェリックを嫁にした成り上がり農民のジョルジュ・ダンダンは彼らの傲慢な態度に嫌気がさしている。ある日、家の前で出会った農民から、妻のアンジェリックにクリタンドルという若い貴族が口説こうとしていることを知る。
 そこにド・ソタンヴィル夫妻がやってくる。ジョルジュ・ダンダンは彼らにアンジェリックのことを話し何とかしてほしいと頼む。夫妻は貴族の名誉を傷つけるようなことをする者は娘でも許さないと、解決を約束する。三人の会話は、名誉や格式を重んじ、言葉の使い方にもうるさく言う夫妻と貴族の言い方にいつまでもなれないでいるジョルジュ・ダンダンの落差から生じる滑稽味がでている。
 クリタンドルとアンジェリックを呼んで、事を明らかにしようということになり、みんなが集まったところで、彼らに問いただすと、二人ともそんなことは嘘八百だといって否定する。逆にジョルジュ・ダンダンの立場が悪くなる。あくまでも言い張るジョルジュ・ダンダンにド・ソタンヴィル氏は、クリタンドルに謝罪させる。
 妻をやり込める策略がうまくいかなかったジョルジュ・ダンダンのもとに羊飼いの娘クロリスがやってきて、二人の羊飼いの絶望を伝えるが、彼は怒って去る。クロリスは自分の冷たい態度が一人の羊飼いを死なせてしまった苦しみの歌「嘆きの歌」を歌う。

第二幕

アンジェリックの召使のクロディーヌとクリタンドルの伝言係をしているリュバンのあいだの恋をめぐるやり取りあと、ジョルジュ・ダンダンはアンジェリックに説教するが、アンジェリックのほうは、自分はあなたが好きで結婚したのではないから、自分の好きなことをすると言って、ジョルジュ・ダンダンをさらに怒らせる。
 ジョルジュ・ダンダンが家を出た隙に、クリタンドルとリュバンが現れ、クロディーヌを丸め込んで、アンジェリックと話ができるように取り計らう。
 おしゃべりのリュバンからそのことを知ったジョルジュ・ダンダンは、浮気の現場をド・ソタンヴィル夫妻に見せてけりをつけるために、夫妻を呼びに行く。二人でいるところを三人に見つかったので、アンジェリックが機転を利かせて、嘘でクリタンドルに抗議をし、殴りつけるふりをする。それを見た、夫妻はアンジェリックを褒め、ジョルジュ・ダンダンの立場は悪くなる。
 ジョルジュ・ダンダンのところへ羊飼いの娘クロリスがやってきて、自殺を試みたティルシスとフィレーヌは、船頭たちに助けられたことを話し、ジョルジュ・ダンダンに船頭たちを紹介する。船頭たちはお礼を受け取って喜び、踊り戯れる。

第三幕

クリタンドルとリュバンがアンジェリックとクロディーヌに逢引きに来る。闇が深くて相手が誰だかわからない。最初はアンジェリックとクロディーヌを取り違えるが、アンジェリックを見つけると、二人は去る。そこへジョルジュ・ダンダンがでてくる。リュバンはジョルジュ・ダンダンをクロディーヌと勘違いして、今二人は逢引きしていることをぺらぺらとしゃべってしまう。ジョルジュ・ダンダンは門番のコランにド・ソタンヴィル夫妻を呼びにやらせる。
 ジョルジュ・ダンダンは門の鍵をかけ、話しを終えたアンジェリックを中に入れさせない。何を言ってもジョルジュ・ダンダンの気持ちを変えることができないと分かったアンジェリックは短剣で自分の胸を刺したふりをする。それを本当だと勘違いしたジョルジュ・ダンダンが外へ出た隙に、アンジェリックとクロディーヌは家に入り、鍵をかけてしまう。ジョルジュ・ダンダンがろうそくを手に家に入れなくておろおろしているところへ、呼ばれてやってきたド・ソタンヴィル夫妻が着く。ジョルジュ・ダンダンは酔っ払って、嘘を並べて妻を陥れようとしたということになり、アンジェリックの前に膝まづいて謝罪させられる。絶望的になるジョルジュ・ダンダン。
ジョルジュ・ダンダンの友人の一人が現れ、悩みなど酒で流せばいいと、仲間のところへ連れて行く。そこへ恋する羊飼いの集団がやってくる。羊飼いたちは古代の羊飼いに倣って、愛の神の力を歌とダンスで称える。羊飼いの男女が歌(クロリス、クリメーヌ、ティルシス、フィレーヌ、合唱で)にあわせてダンスをする。
 バッカスの一群が登場し、そのうちの一人が歌を歌い、合唱がそれに続く。バッカスの合唱と愛の神の合唱が歌いかわす。一人の羊飼いが進み出て、歌う。合唱。すべてのダンサーが入り混じって踊る。

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