『公爵夫人のドン・キホーテ』

Don Quichotte chez la Duchesse

台本/ファヴァール
音楽/ボワモルティエ
ジャンル/喜劇的バレエ
初演/1743年

解説

 1743年のカーニバル用に王室から注文された作品で、大成功した。2月12日の王立音楽アカデミーでの上演の際には、この作品の後に、ムレの『ラゴンドの恋』が上演された。
台本の新しさは一目瞭然で、神話も羊飼いも恋愛話もないし、大仰な感情も甘ったるさもない。この上演の大成功を受けて、サン・ジェルマンの縁日にはマリオネット座でパロディーの『ドン・キホーテ・ポリシネッル』が上演されている。
作者のファヴァールはオペラ・コミークではすでに知られた存在で、『魂の探求者』(1741年)、『イポリトとアリシ』(1742年)『サン・クルーの軽業師』などの作品で大成功を博していた。この作品で宮廷での支持をえたファヴァールは、1745年から51年までオペラ・コミーク座が閉鎖されると、彼の才能を高く評価していたザックス元帥がオーストリア継承戦争に参戦した際に、戦地の劇団の支配人として活躍することになる。

第一幕

サンチョ・パンサとアルティシドールが怪物に追われているが、ドン・キホーテがその怪物を打ち倒す。二人は、ドン・キホーテの力を誉めそやすが、ドン・キホーテは善行だけが自分の栄光だといって、アルティシドールと別れを言うので、彼女はせめてお礼のためにディヴェルティスマンだけでも見ていってくれと言う。ダンスと合唱のあと、サンチョ・パンサは近くを通りかかった農民の女をダルシネアと勘違いする。最初はダルシネアではないと分かっていたドン・キホーテも農民の女をダルシネアと思い込む。メルランが登場して、一同を魔法から解く。

第二幕

また魔法にかけられたドン・キホーテとサンチョ・パンサはモンテジノスの洞窟まで魔法で運ばれる。洞窟の中で、アルティシドールは自分は日本の王妃だと本当の姿を見せる。ドン・キホーテの武勲を聞きつけてここまで来たのだと説明し、日本を与えるとドン・キホーテに言う。だがドン・キホーテは決してアルティシドールの愛と申し出を受け入れようとしない。彼女が諦めて消えると、洞窟の入り口に小人が現れる。お前がやれと二人が言い合いをしていると、小人は巨人に変身する。ところが巨人は粉々になり、洞窟が開いて、モンテジノスが現れ、ドン・キホーテを讃える。ここで第二のディヴェルティスマンのが始まり、ガヴォット、ブーレ、パスピエが踊られ、歌が歌われる。しかし激怒したアルティシドールが再び現れ、ドン・キホーテとサンチョ・パンサを熊と猿の姿にしてしまう。

第三幕

公爵夫人の庭園に入り込んだドン・キホーテとサンチョ・パンサはそこの従者たちに熊と猿の姿ゆえにからかわれるたり恐れられたりする。アルティシドールの申し出を断ったからだと分かってもドン・キホーテは決して考えを変えようとしないで、サンチョ・パンサと言い争いになる。メルランがやってきて、アルティシドールを懲らしめようとすると、ドン・キホーテは許してやってくれと言う。その寛大な心にアルティシドールは心動かされ、復讐をやめるという。最後に第三のディヴェルティスマンで日本人たちが歌って、終わる。

ディスコグラフィ


指揮/エルヴェ・ニケ
ドン・キホーテ/ステファン・ヴァン・ダイク
サンチョ・パンサ/リチャード・バイレン
アルティシドール/メレディス・ハル
メルラン/パール・ゲイ
農民女/マリー=ピエール・ワティエ

第一幕

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