『優雅な祝祭』

Fêtes galantes

台本/デュシェ・ド・ヴァンシ
音楽/アンリ・デマレ
ジャンル/オペラ=バレ
初演/1698年

解説

『優雅な祝宴』(Fetes galantes)と言えば、ヴァトーのfete galante(雅宴画)をすぐに連想するが、それまでのリュリとキノーが確立したオペラが愛の女神ヴェニュスや愛の神を排除して、戦の女神がひたする栄光の女神を追求するものであったのに対して、この時期、度重なる戦争によって疲弊した民衆は、平和を希求し、愛の女神や愛の神を中心にした世界を追求するようになる。このオペラ=バレエそのものはそれほど成功しなかったが、これ以降、もう戦争や栄光はいらない、愛の世界に生きようというオペラ作品が増えてくる。

プロローグ

喜劇の女神タリーが喜びや幸福な日々に戻っておいでと呼びかける。プロローグ冒頭のタリーの詩句がこのプロローグを要約している。
タリー
戻っておいで、甘美な喜びよ、蘇っておくれ、幸福な日々よ、
平和の女神がお前たちをここに呼び戻しているのよ。
私たちの音楽と熱気を乱すものはもう何もないはず、
愛の神が新しい収穫として
栄光の女神が絡めとっていた
誇り高く、有閑な者たちを射止めるでしょう。
戻っておいで、甘美な喜びよ、蘇っておくれ、幸福な日々よ、
平和の女神がお前たちをここに呼び戻しているのよ。
征服者が残酷な不和の女神に強制して
彼女の激怒と烈火を消してくれた。
戻っておいで、甘美な喜びよ、蘇っておくれ、幸福な日々よ、
平和の女神がお前たちをここに呼び戻しているのよ。

第一幕

本編は、一貫した筋になっている点で、通常のオペラ=バレエとは異なっている。ナポリの王女セリームは、トスカナの王子のイダス、ナポリの王子のカルロ、ペルシャの王子のソストラートの三人から愛されている。
三人はそれぞれが愛の苦しみに悩んでいることを告白するが、三人とも同じ女性を恋していることが分かる。三人は彼女に告白するが、彼女は今日が終わるまでには明らかになるでしょうと言う。
セリームの友人のクレオニースが来たので、恋話になる。セリームはイダスに一番恋していると言うと、クレオニースが彼には他の女性が手を付けているから、カルロにしたらとアドバイスする。
イダスが音楽家たちを引き連れてやってきて、セリームに求愛する。

第二幕

クレオニースはじつはイダスを愛している。イダスが来たので、セリームに恋しているイダスにたいして、セリームはカルロを愛しているから、無駄だと教えて、諦めさせようとする。クレオニースは策略によって、イダスが自分を激しく恋しているとセリームに思わせる。セリームはイダスを浮気者だと思い込んで、拒否してしまう。

第三幕

セリームから拒否されたイダスは、彼女に復讐するために、イダスとクレオニースは相思相愛の仲だと言いふらしている。しかしイダスが相変わらずセリームを愛していることを知ったクレオニースは激怒する。しかし最後にイダスとセリームは心の中を率直に語り合うことで、お互いがお互いを愛していたということを知る。それと同時にクレオニースが策略を用いていたことも明らかになる。

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