『エベの祭典』

Les Fêtes d'Hébé

台本/モンドルジュ
音楽/ラモー
ジャンル/オペラ=バレ
初演/1739年
再演/1747年56年64年

解説

『メルキュール・ド・フランス』編集長のレナル師から「ラモーは『ガゼット・ド・フランス』(の新聞記事)にでも音楽をつけるつもりだと言った」と酷評されたくらいに、批評家からは激しく批判されたモンドルジュ(国庫室長で詩人としてはアマチュア)の詩であったが、『エベの祭典』は軽佻浮薄を好む当時の傾向に乗ってたいへんな成功を博した.初演の年だけでも80回近く上演されたし、ラモーが亡くなる1764年までにトータルで200回の上演回数を数えた。

プロローグ

舞台は遠くにオリンポス山が見えるにぎやかな田舎を表す。モミュスが青春の女神エベを追い掛け回しているが,エベは神々に天界から追放されたと,彼らへの恨みつらみを述べる。グラティアエたちが愛の神の弓矢と矢筒をもってやってきて,愛の神の到着を知らせる。
三人は一緒になったことを喜び祝福する。セーヌ川の岸辺に集まって,詩、音楽、舞踏という音楽劇の才能(このオペラ=バレの副題となっているLes Talents Lyriques)を楽しもうと歌う。ゼフィールたちが登場しエベのための車をもって来て,エベをセーヌ川の岸辺に運ぶ。

第一アントレ:詩

舞台は森のなか。詩人のサッフォーが嫉妬したテレーム[テレモス]の陰謀のせいで愛するアルセ[アルカイオス]と引き裂かれた悲しい思い出を歌っている。そこへサッフォーを愛するテレーム[テレモス]がやってきて,彼女に愛を打ち明けるが,サッフォーは私を愛するなら国王を追って行くようにと命ずる。
アルセがサッフォーのところへやってきたので,テレームが裏切って自分に愛を打ち明けたが,彼を騙して,国王のあとを追わせたと教える。国王のイマスがやってきて,サッフォーへ寵愛の言葉を述べる。サッフォーはお返しとして,彼女が作った詩をもとにした寓話劇を見せる。
サッフォーの奴隷たちが踊り,水瓶の上に横たわる川の妖精ナイアードが歌う。河の神が現れてナイアードを慰め,彼女の愛する小川の神を呼び戻す。小川の神が戻ってきて,ナイアードとともに再会の喜びを歌う。
サッフォーが演じさせた寓話劇にいたく感動した国王イマスはサッフォーを称賛する。それを受けて,サッフォーは陰謀のために追放されたアルセに同行させてくれるように願い出る。それを聞いた国王はサッフォーの才能に免じて,アルセの追放を解くことにする。国王がアルセに二人の愛を認め,祝福する。一同が愛の神を称えて歌ったり踊ったりする。

第二アントレ:音楽

舞台はオリンポスの神殿。スパルタ国王の娘イフィーズはラケダイモンの戦士ティルテとの婚礼のために国王リクルゴスが神殿の中で生贄を捧げているあいだ,二人のなれ初めを歌う。リクルゴスが神殿から出てきて神託を伝える。イフィーズはメセナの勝利者に嫁がねばならないというのだ。それを聞いたティルテはラケダイモンの戦士たちを鼓舞しメセナ征伐に立ち上がる。一人だけ残されて不安を歌うイフィーズの前に,キューピッドや勝利の女神の精霊,マルスの精霊たちが現れ,バレによって,勝利を暗示する。
ティルテが戻ってきて勝利を報告し、それに続いてリクルゴスやラケダイモンの戦士たちも戻ってきて,ティルテとイフィーズの愛を祝福する。雲に乗ってトランペット、シンバル、オーボエ、バスーンの奏者たちが降りてきて、ディヴェルティスマンで終わる。

第三アントレ:舞踏

舞台は小集落の近くの森。メルキュールは愛の神に約束された獲物を手にするためにやってきたが,その喜びをもっと楽しもうと神ではなく普通の身なりをしている。そこにユリラスがやってきて,テルプシコラの技を広めることに情熱を注いできたエグレが夫を選ぶことを許され、今日がその日なので,村中が興奮しているのだと教える。メルキュールはきっとユリラスが選ばれるのだろうと言うが,彼のほうは不安でたまらない。
パレモンのオーボエの音に合わせて,エグレが踊りながら登場する。メルキュールはエグレはオーボエの音に合わせて踊っているのではなくて,私の声に合わせているのだと言って,パレモンを嫉妬させて立去らせてしまう。
たちまちエグレを虜にしてしまったメルキュールもエグレの虜になり、二人で永遠の愛を誓う。集落の羊飼いたちがやってくると,メルキュールを夫として宣言する。そのとき一人のキューピッドがメルキュールの杖を持ってきて渡す。彼は自分の本当の姿を現す。
舞台が変わり,黄金の庭園に変わる。テルプシコラとニンフたち、牧神たち,シルファヌスたちが太鼓の音に合わせて踊りながら登場する。メルキュールはニンフたちに,美しさは愛の神のおかげだから,それを使わなかったら消えてなくなるよと歌う。 メルキュールがテルプシコラにエグレを彼女の宮廷の一員に加えてくれるように頼むと、テルプシコラはエグレと一緒に踊ったあと、彼女に太鼓を持たせ、宮廷全体がエグレを舞踏のニンフと認める。最後にメルキュールがエグレとの永遠の愛を歌って終わる。

ディスコグラフィ

ERATO 3984-21064-2
合唱・オーケストラ/Les Arts Florissants
指揮/ウィリアム・クリスティ
エベ、エグレ/ソフィー・ダヌマン
モミュス、リクルゴス/ポール・アニュー
愛の神/ガエル・メシャリ
サッフォー、イフィーズ/サラ・コノリー
アルセ/リュック・コードー
ティルテ、ユリラス/ティエリ・フェリックス
テレーム、メルキュール/ジャン=ポール・フシェクール

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