『タリーの祝祭』

Les Fêtes de Thalie

台本/ジョゼフ・ド・ラ・フォン
音楽/ジャン=ジョゼフ・ムレ
ジャンル/オペラ=バレ
初演/1714年
再演/1722年、24年、35年
1745年、54年

解説

1714年8月19日に『タリーの勝利』というタイトルで王立音楽アカデミーで初演され、成功したオペラ=バレエである。タリーとは喜劇のミューズで、音楽劇に初めて喜劇を導入したという意味で重要な作品だと言える。上記のように何度も再演されている。その他一部のアントレだけを取り出して上演するということが何度も行われている。
ムレは1682年にアヴィニョンで生まれ、そこで音楽教育を受けた後、1707年にパリに上京し、すぐにノアイユ公の音楽教師となり、翌年または翌々日にはソーのメーヌ公爵夫人の音楽監督に任命された。1714年の有名な「ソーの大夜会」で祝祭のために作曲したのが、『ラゴンドとコランの結婚』(1742年にオペラ座初演にさいして『ラゴンドの恋』と改名)である。『タリーの祝祭』は、同じ年に王立音楽アカデミーで初演され、さらにムレもオペラ座オーケストラの指揮者となっている。1728年にはフィリドールの跡を継いで「コンセール・スピリチュエル」の芸術監督になっている。
なお今日ではムレの名前は「合奏組曲第1番」のロンドのファンファーレで知られている。
こちら
ラ・フォンは1686年にパリで生まれた。パリ高等法院の検事の息子で、20作程度の劇作品を書いて、39才で死去した。

プロローグ

舞台はオペラ座で、悲劇のミューズのメルポメーヌが自分一人でオペラ座を支配させてくれと呼びかける。そこに喜劇のミューズのタリーが笑いの神々と一緒にやってきて、一緒に優れたものを作ろうと提案するが、メルポメーヌはタリーを馬鹿にして受け付けない。アポロンがやってきて、「タリーの甘美な歌にお前の華麗なエールを結びつけることができないのか?/この混合は今でもまだイタリアを魅了しているぞ」と提案する。しかしメルポメーヌが「英雄たちや王たちを台無しにすることになる」と拒否するので、アポロンは順番に悲劇と喜劇を上演することを命じる。最後に遊びの神々や喜びの神々がやってきて、タリーの栄光を歌う。

第一幕

タイトルは「娘」でマルセイユ港が舞台である。
レオノールの父のクレオンはアルジェに10年間も奴隷として暮らしていたが、船長のアカストのおかげで解放され、やっと妻子の住むマルセイユに戻ってきたところだ。クレオンは10年間も消息を絶っていた自分が戻ってきたら、妻子はどんな反応をするだろうかと不安だし、アカストは愛する女性から結婚に縛られたくないと拒否されていることを嘆く。アカストはレオノールに求婚をするが、冷たく拒否される。レオノールの母のベリーズは別の女性を探しなさいとアドバイスして、それは自分だと言う。そこへ10年間音信不通だった夫のクレオンが現れる。アカストは自分が奴隷から解放してやったクレオンが、愛するレオノールの父親であることを知って喜ぶ。レオノールもアカストを受け入れ、大喜びのアカストはアルジェリア人の囚人たちを解放してやる。一同で喜び、愛の神の栄光を祝福する。

第二幕

タイトルは「未亡人」で田園地帯が舞台である。
未亡人のイザベルは、レアンドルから愛されているし、自分も密かに愛しているのだが、亡き夫に再婚はしないと誓った手前、レアンドルの愛を受け入れることができない。しかし侍女のイフィーズは、ろくでもない夫だったのだから、義理立てすることはないと言う。イザベルとレアンドルが愛の苦悩を語っていると、村の羊飼いたちがやってきて、村の婚礼が始まる。新郎新婦を中心にして、羊飼いたちが愛と結婚の甘美な喜びを歌い、踊る。これを見て、彼女を急かすレアンドルにイザベルはどう答えていいか分からず、イフィーズに尋ねると、彼女は夫の墓前に尋ねに行くようアドバイスする。

第三幕

タイトルは「妻」で舞踏会が舞台である。
魅力的な若い妻のカリストは、侍女のドリーヌに、夫ドラントの不実を嘆いている。これから始まる舞踏会も夫が別の女性のために開いたと思っているのだ。二人は仮面を付けて、夫の浮気現場を捉えようと考える。他方、夫のドラントは、妻が二日間不在だと信じて、この舞踏会で愛する女を手に入れるつもりで、ウキウキしている。舞踏会が始まり、仮面を付けたカリストに心惹かれる。侍女のドリーヌとドラントの付き人をしているゼルバン(ドリーヌの夫)の間でやりとりがあった後、ドラントが仮面の女性(妻のカリスト)に、あなたは最高の女性だと口説く。仮面の妻がカリストという女性はどうですかと尋ねると、あなたのためなら妻を忘れることができると答える。するとカリストは仮面を取る。するとドラントは「愛の神が二人を満足させてくれた」と大喜びする。カリストも同意する。

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