『オーリドのイフィジェニ』

Iphigénie en Aulide

台本/デュ・ルレ
音楽/グルック
ジャンル/オペラ
初演/1774年

第一幕

トロイア遠征のためオーリド(アウリス)の港に集結したギリシャ軍は,順風の日を待つが,なかなかその日がこないために出帆できないでいる.ギリシャ軍中の最大の預言者である神官カルカスが神に伺いを立てると,順風が得られないのは,全ギリシャ軍を率いるアルゴスの王アガメムノンが,かつて女神ディアーヌを怒らせたためであることがわかり,女神の怒りを鎮めるために,アガメムノンの娘イフィジェニを生贄として差し出すように,との神託が下りる.アガメムノンは,この神託を受けて,娘を英雄アシルと結婚させるという口実のもとに,王妃クリテムネストルと娘イフィジェニをアウリスに呼び寄せる手紙を出したが,すぐに後悔の念にかられ,密かにアルカスを使者としてつかわし,アウリスへと向かう途中のイフィジェニに,アシルが婚約を破棄したと偽って,アウリスに来ないように,と伝えさせた.
  幕が開くと,アガメムノンがこれまでの出来事を振り返りながら,苦悩している.そこへ神官カルカスとギリシャ軍の諸将が現れ,早く生贄を差し出すようにとアガメムノンに迫り,神託には逆らえないと告げる.その時,クリテムネストルとイフィジェニが到着したことが知らされる.アルカスは,イフィジェニの到着を妨げることができなかったのである.ギリシャ人たちは,イフィジェニが犠牲に供せられることを知らずに,彼女をもてなす.その後,アシルの婚約破棄に激怒しているクリテムネストルが,その事実をイフィジェニに伝えるが,彼女には信じられない.そこへアシルが現れ,イフィジェニがここに来ていることを知って喜ぶが,二人の話はかみ合わない.しかしアシルが,彼女の誤解をとこうとして変わらぬ愛を誓うので,イフィジェニは喜びにあふれる.

第二幕

婚礼の準備が進められ,侍女たちがイフィジェニの仕合わせを称えると,イフィジェニも喜びの気持ちをおさえきれない.クリテムネストルが現れ,娘とともに祭壇へ向かおうとする時,アシルも現れ喜びを歌い,皆も祝福する.そこにアルカスが現れて,イフィジェニが,本当は婚礼のためではなく,神への生贄となるために祭壇に赴かなければならないのだ,と告白する.一同は驚き,クリテムネストルがアシルに娘を救ってくれるように嘆願すると,アシルはイフィジェニを守ることを約束し,アガメムノンを非難するが,イフィジェニは,むしろ父の立場を弁護して,父の意志に従おうとする.アシルが独りになったところへアガメムノンが現れるので,アシルはアガメムノンに談判するが,アガメムノンは聞き入れずにアシルを追い返す.しかし,残ったアガメムノンは,結局娘を犠牲にすることを後悔し,アルカスを呼んで,イフィジェニを連れてミケーネに逃げるようにと命じる.

第三幕

しかしアルカスは,人々に行く手をはばまれて,イフィジェニを連れ出せないでいる.アシルが現れ,イフィジェニに対して彼女を救う決意を再三述べるが,イフィジェニは,あくまで自分の運命に従うという.クリテムネストルが現れ,娘を手放さないと言うが,イフィジェニは結局人々とともに祭壇へ向かって去っていく.残ったクリテムネストルは,激しい思いを歌うが,祭壇からは生贄を捧げる合唱がきこえてくる.祭壇の場に変わる.突然,アシルが味方のテッサリア人たちとともに現れる.ギリシャ人たちに立ち向かうので,儀式は中断される.その時,女神ディアーヌが登場し,イフィジェニの美徳とその母の嘆きに感じ入ったことを告げ,イフィジェニとアシルが仕合わせに生きるようにと言う.ギリシャ軍はようやくトロイアに向けて出帆することができるようになり,一同の喜びのうちに幕となる.
[今谷和徳氏の解説を転記した]

ディスコグラフィ

Radio France ERATO 245 003-2
オーケストラ/リヨン歌劇場管弦楽団
合唱/モンテヴェルディ合唱団
指揮/ジョン=エリオット・ガーディナー
イフィジェニ/リン・ドースン
アガメムノン/ジョゼ・ヴァン・ダム
クリテムネストル/アンネ=ゾフィー・フォン・オッター
アシル/ジョン・アラー

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