『ペルセ』

Persée

台本/キノー
音楽/リュリ
ジャンル/音楽悲劇
初演/1682年
再演/1687年1703年
1710年22年37年46年

プロローグ

舞台は小さな森で、徳の女神の従者のフロニームとメガティームが徳の女神の登場を知らせる.徳の女神は、お供の者たちや無垢の女神や無垢の喜びの神々と一緒にやってくる.徳の女神が運命の女神はいつも恐ろしいと言って、無垢の生活の幸福を歌う。フロニームとメガティームは運命の女神への軽蔑を歌う。突然、大地から花々が咲き、彫像、金色のアーケード、噴水などが現われる。それは運命の女神が自分の登場を予告するためにしたことだった.運命の女神が多数の楽器奏者を引き連れ、豊穣の女神や壮麗の女神に伴われて登場する.運命の女神は徳の女神に和平を申し入れにやってきたのだ.というのも運命の女神の憎悪に打ち勝つことができた唯一の英雄(ルイ14世)の命令だからだ.徳の女神と運命の女神や彼女たちの従者たちが歌とダンスで栄光に満ちたこの英雄を祝福する。

第一幕

舞台はジュピテルの妻にして最高女神であるジュノンを称えて行われる競技会のために壮麗に飾られた広場である.
エチオピアの国王セフェは、妻のカシオープがその傲慢な態度からジュノンの憎悪を引き起こし、それがまだ鎮められていないという不安を述べる.また、ジュノンが恐ろしい怪物メドゥーサをエチオピアに送ってきたら、民衆を守ることができないと怖れている.カシオープは自分の栄光をジュノンのそれと比較するという大それたことをしたために後悔をしており、ジュノンを称えて行う競技会がジュノンの怒りを鎮めることになればいいがと願っている.セフェは、ジュピテルとダナエの息子であるペルセがこの競技会に臨席してくれることを大いに当てにしている.カシオープは妹のメロープに、メロープとペルセは許婚だが、ペルセはカシオープの娘のアンドロメードに惹かれていると話す。メロープは嫉妬するが、それを隠そうと決心する.一人になるとメロープは自分がどうしても愛を捨てることができないことを知る.
アンドロメードと、セフェの弟でアンドロメードと許婚のフィネが言い争いながら、やってくる.フィネはアンドロメードの愛が信じられない.アンドロメードがペルセから愛されていると非難する.アンドロメードは、ペルセからは逃げ回っているし、フィネへの愛が義務だと思っていると言って、自分を擁護する.
競技会が始まる.ところがそこへ三人のエチオピア人がやってきて、メドゥーサを見て石にされてしまった者が新たに出たことを知らせる.民衆は逃げていく.

第二幕

舞台はエチオピア国王セフェの宮殿の庭園。ペルセが国王を、フィネがアンドロメードを宮殿にかくまうと、メドゥーサは諦めたかのように引き下がる.ジュノンの復讐心の激しさに絶望したカシオープはジュピテルの助けを懇願するしかないと言う.アンドロメードとペルセとの仲を疑っているフィネが、アンドロメードとの婚礼をセフェに確かめようとすると、セフェはペルセがメドゥーサ退治を申し出ており、成功したときの褒賞としてアンドロメードとの結婚を要求していると答える。セフェはペルセはジュピテルの子だから、きっとペルセがメドゥーサ退治をしてジュノンの怒りを鎮めてくれるだろうという希望を表明する.
しかしペルセの許婚であったメロープは一人になると、ペルセが立ち向かおうとしている危険を考えて不安を募らせる.アンドロメードがメロープに気づかずに、ペルセの愛と魅力に抵抗できない思いを独白する.それを聞いたメロープは二人ともペルセを愛しており、彼の命を心配しているのだから、思いを一つにしようと歌う。
ペルセが、メドゥーサ退治に出かける前に、アンドロメードに愛を告白する。アンドロメードは最初はフィネとの婚約を持ち出すが、最後には自分もペルセを愛していることを告白する。アンドロメードはペルセを引きとめようとするが、無駄である。
メルキュールが地獄から出てきて、すべての神々がペルセに荷担を申し出ていることを伝える.キュクプロスはウルカヌス(火と鍛冶の神で、ジュピテルとジュノンの息子、したがってペルセの兄弟になる)から預かってきた剣と小翼を、好戦的なニンフたちはパラスから預かってきたダイヤモンドでできた盾を、地獄の神々はプリュトンから預かってきた兜を、ペルセに渡す。メルキュールと合唱がペルセの勝利を願って歌う.

第三幕

舞台はゴルゴン三姉妹(メドゥーサ、エイリュアレ、ステンノ)の洞窟。メドゥーサが、かつての美しさをパラスの嫉妬によって奪われたことを嘆いている。だがなんでも石にしてしまう眼の力を得たことで自分を慰めている。妙なる音楽が聞こえてくる。メルキュールがやってくる。メドゥーサはてっきり神々が自分に頼み事をしに来たのだと思う。だがメルキュールは彼女たちに平和な眠りを与えに来たと言って、三姉妹を眠らせてしまう.その間に、メルキュールはペルセを導きいれ、自分にできることはここまでだと言って、立ち去る。
ペルセは盾で眠っているメドゥーサを見ないようにしながら、彼女の頭を切り落として、スカーフに包む。ペルセの声に目を覚ましたエイリュアレとステンノがメドゥーサの首が切り取られているのを見て、ペルセを捕まえようとするが、ペルセがかぶっているプリュトンの兜のおかげで彼女たちにはペルセは見えないのだ。
メドゥーサの首から流れた血からクリシュサオルやペガサスをはじめとした奇妙奇天烈な姿をした怪物たちが次々と生まれ、空を飛んだり、地を這いまわったり、走り回ったりして、ペルセを探すが、ペルセは彼らにも見えない。メルキュールがもどってきてペルセを逃がし、ゴルゴン姉妹や怪物たちを地獄に落としてしまう.

第四幕

舞台は海と岩山に縁取られた海岸。エチオピア人たちの合唱がメドゥーサを退治した英雄を歓呼して迎える。だがフィネとメロープだけはそれを喜んでいない。メロープはペルセの無関心を嘆き、フィネは彼の勝利に嫉妬する。海が波立ち、海岸を襲う。二人は逆巻く海を自分たちの内面に重ねる。
イダスがアンドロメードを食わせるために海から怪物をおびき寄せたと告げる。アンドロメードはテティスの命令を受けたトリトンたちによって岩山に縛り付けられ、怪物の餌食にされようとする。ペルセは闘う決心をするが、フィネはアンドロメードがペルセの腕の中にいるのを見るよりは、怪物の餌食になるほうがいいと喜ぶ。セフェとカシオープは嘆き、カシオープはジュノンの激怒を招いたことで自分を責める。カシオープは自分をアンドロメードの代わりに怪物の餌食にして欲しいとトリトンとネレイデスに頼むが無駄である。アンドロメードは神々を鎮めるのは自分のすべきことだと歌う。カシオープとセフェは絶望してアンドロメードを呼ぶが無駄である。
怪物が現れる。ペルセが空中に現れ、怪物と闘い、退治する。トリトンたちは海のなかに戻る。
エチオピア人たちの合唱が勝利を祝福する。岩山から降りてきて、歌ったり踊ったりして喜びを表す。水夫の男女もそれに加わる。

第五幕

舞台はペルセとアンドロメードの婚礼のために準備された場所。メロープは絶望のあまり自分の苦悩を終わらせて欲しいと死に呼びかける。フィネはジュノンの復讐続行の意志を伝え、力ずくでペルセからアンドロメードを奪い取るつもりである。
婚礼の儀が始まり、婚礼の神の大神官が二人の幸福を祈る。メロープがやって来て、フィネが戦士たちを引き連れてペルセを襲撃に来ると知らせる。アンドロメードとカシオープが神々に祈っているところへ、セフェが戻ってきて、メロープが瀕死の重傷を負ったことを伝え、相手の勢いが増しているので、ペルセが負けるかもしれないと怖れる。ペルセはメドゥーサの首を見せて相手陣営をことごとく石に変えてしまい、勝利する。
ヴェニュスがキューピッドやヒュメイナイオスらとともに降りてきて、不幸は終わったこと、ジュノンもついに怒りを鎮めたことを知らせて、平和に暮らすように告げる。セフェ、カシオープ、ペルセ、アンドロメードは天に上って、神々の一列に伍する。エチオピア人たちの喜びの踊りで幕が下りる。

ディスコグラフィ

ASTRÉE E 8874
合唱・オーケストラ/Les Talents Lyriques
指揮/クリストフ・ルッセ
ペルセ/ポール・アニュー
アンドロメード/アンナ・マリア・パンツァレッラ
メロープ/サロメ・アレ
フィネ/ジェローム・コレアス
セフェ/ヴァンサン・ビリエ
カシオープ/モニク・シモン

EUROARTS 2054178
オーケストラ/ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ
指揮/エルヴェ・ニケ
ペルセ/Cyril Auvity
アンドロメード/Marie Lenormand
メロープ/Monica Whicher
フィネ/Alain Coulombe
セフェ/メデューズ/Olivier Laquerre
カシオープ/Stephanie Novacek

このオペラとほぼ同じ内容を扱った映画が『タイタンの戦い(2010年版)』である。
これはオペラ第三幕にあるメデューサ攻略の場面。

最初に戻る
年表に戻る
INDEXに戻る

inserted by FC2 system