『ポモーヌ』

Pomone

台本/ピエール・ペラン
音楽/ロベール・カンベール
ジャンル/パストラル
初演/1671年
ニコラ・フーシェ作→

解説

フランス語による最初のオペラといわれる『ポモーヌ』は1671年3月3日、ブテイユ球戯場で初演された。歌詞はピエール・ペランで,1669年以降「フランス詩によるオペラすなわち音楽劇のアカデミー」設立の特権を国王より認められている。舞台装置と機械仕掛けはスルデアック侯爵のアレクサンドル・ド・リユー(ペランの共同申請者)である。ダンスはデ・ブロス,音楽は数年来の台本作家の友人であるロベール・カンベール。セーヴルにあるスルデアックの別荘で行われたリハーサルは、俳優たちが未経験だったために時間がかかった。正確な配役は知られていないが,ヴェルチューヌとポモーヌの役はボーマヴィルとカルティイことマリー・ジョシエが演じた。大成功を博し,『ポモーヌ』は数ヶ月にわたって上演された。ペランによると146回、スルデアックと彼の協力者シャンプロンによると7ヶ月から8ヶ月にわたった。

プロローグ

場所はパリのルーヴル、セーヌ川のニンフと神ヴェルチューヌが,「高貴なるルイのなかに私は新しき軍神を見る,その素晴らしき都市に新しきローマを見る」と,ルイ14世の君主としての偉大さを称え,幻想によって彼の目を魅了するためにきたと述べる。

第一幕

場所は果樹の女神であるポモーヌの果樹園。乳母のベロエによって,恋愛や羊飼いを忌み嫌うように育てられたポモーヌは,連れのニンフたちと一緒に、甘い言葉のあとには苦痛と苦悩があるだけだから,甘美な喜びは花のようにあっという間に過ぎるものだから,この果樹園で恋愛や羊飼いから離れて暮らそう,歌う。
 この出だしのエールは「王は踊る」で使われている。

この果樹園で毎日を過ごしましょう,
色恋や羊飼いたちからとおく離れて,
毎日を過ごしましょう。

 そこへ牧神と庭園の神がやってきて,ポモーヌの心を射止めようと競うが,ポモーヌにはその気はなく,茨やあざみの刺でできた冠を与えられて、からかわれる始末。最後に,何にでも姿を変える能力をもつ神ヴェルチューヌが登場する。

第二幕

場所は樫の木の庭園。じつはヴェルチューヌに恋しているベロエ(ポモーヌの乳母)はヴェルチューヌに言い寄るが、彼女を嫌っているヴェルチューヌはドラゴンに変身して彼女を遠ざけようとする。次の歌詞は映画「王は踊る」でも使われている個所である。

ベロエ
私の目はいったい何を見ているのだろう?
なんと恐ろしいドラゴン?
でも,いいえ,大丈夫よ,彼があのような恐ろしい怪物に
姿を変えたのだから。(彼女はドラゴンに向かう)
さぁ,残酷な人,私の血を吸いなさい,
あなたの妬みを満たしなさい,
私のわき腹を引き裂き,
私の命を奪いなさい。
私はさだめに感謝しているわ。
そしてこれ以上甘美な死を死ぬことはできない。

ベロエはヴェルチューヌに借り出された異形の姿をしたものたちに襲われ、連れ去られようとする。そこへ庭園の神とそのお供の庭師たちが助けようとする。ヴェルチューヌのお供たちはギリシャの町女に変身させられ、庭園の神や庭師たちをの気を引く。彼らが彼女たちにキスしようとすると茨に変身し、からかわれることになる。

第三幕

やっとポモーヌに話し掛ける機会を得たヴェルチューヌは宝の神プルトンに変身して、金の宮殿でもどんなものでも与えることができると言って彼女の気を引こうとするが、私の宝は果実と木だと言って、ポモーヌは拒否する。今度はバッカスに変身して登場したヴェルチューヌ。しかしからかわれただけだった。腹いせに,今度は庭園の神をからかうバッカスの姿をしたヴェルチューヌ。

第四幕

今度は乳母のベロエに変身してポモーヌに言い寄ろうとするが、すんでのところで失敗する。しかしそれを暴かれたとき、ヴェルチューヌは思い切ってポモーヌに自分の気持ちを打ち明ける。するとそうした率直な告白に心を動かされたポモーヌも彼の愛を受け入れる。

第五幕

ヴェルチューヌとポモーヌの婚礼の祝いが行われる。みんなして歌い、踊る。雲に乗ったオーボエ奏者やバイオリン奏者たち。

ディスコグラフィ

ACCORD 476 2437 Lully ou le Musicien du Soleil vol.VI
La Symphonie du Marais
指揮/ユゴー・レーヌ
ポモーヌ/フランソワーズ・マセ
ジュチュルヌ/ソフィー・ランディ
ベロエ/ルノー・トリパティ
ヴェルチュンヌ/ハワード・クルック
庭園の神/ジャン=ルイ・ジョルジェル

フランス映画『王は踊る』に
『ポモーヌ』の一部が出てくる。
"Passons nos jours dans ces vergers"
"Que voyez-vous, mes yeux?"
の二つのエールが歌われる。

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