『ナヴァールの王女』

Princesse de Navarre

台本/ヴォルテール
音楽/ジャン=フィリップ・ラモー
ジャンル/コメディー=バレ
初演/1745年

解説

1745年2月23日,ヴェルサイユ宮殿のグランテキュリ劇場で,王太子の結婚を祝って上演された.
このオペラ台本の執筆のおかげでヴォルテールは王室史料編集官になり,2000リーヴルの年金を得た.
台本作者のヴォルテール自身は、この作品を評価しておらず、駄作を考えて、自身の作品集には収録を拒否したほどである(最終的には収録されることになったが)。ヴォルテールが自己卑下するほど出来の悪い作品とは思われないが、前二作(『サムソン』は未完成、『パンドラ』は上演されていない)において、当時のオペラで当たり前のように主題とされていた愛を主題からはずしたことで、オペラ台本作家としての存在を見せようとしたヴォルテールとしては、注文作品ということで再び旧弊な愛を主題とした作品を書くことは、いやいやながらの仕事であったと予想される。
1745年暮れにフォントノワの戦勝を祝するディヴェルティスマンにおいてこの作品の縮小版が『ラミールの饗宴』として上演されることになったが、このとき無名のルソーが改作のために台本と音楽の両方に手を入れたことで(もちろん長官のリシュリューの要請によってであるが)、ルソーとラモーの対立の出発点になったことで知られる。

プロローグ

ルイ14世の象徴でもあった太陽神が降臨して、王太子の結婚を祝福する。

第一幕

舞台は、ナヴァール国の国境に面したドン・モリッロの庭園。ナヴァールの継承者である王女コンスタンスは侍女のレオノールとともに宮廷から逃れてきて、この国境近くの領主ドン・モリッロの城にいる。家庭教師であったドン・ペドロに内戦が起きて危ないと騙されて、宮廷から逃げるようにそそのかされたせいだが、王家の宿敵のフォワ公爵が彼女を連れ去ろうと追ってきていると思い込んでいる。ところが彼女を救うためにアラミールという騎士がやってくる。コンスタンスは王族だということを隠して、ドン・モリッロの城に匿われており、もっと安全な僧院を探すために出て行こうとしている。アラミールと偽っているフォワ公爵は領主のドン・モリッロととともに、コンスタンスが城を出て行こうとするのを止める。そのために二人は祝祭を催すことにする。ところが領主の娘のサンシェットがアラミールことフォワ公爵に惚れてしまい、話をぶち壊しにしてしまいそう。コンスタンスがレオノールとともに意を決して城から出ようとすると、それを阻止する兵士たちに、彼女たちは領主に裏切られたかと驚くが、これが祝祭の出し物の一つという体裁を取っていた。だが、本当にドン・ペドロが派遣した追っ手が王女を逮捕しに近くまで来ているという知らせが入り、祝祭は中断される。

第二幕

領主の娘サンシェットが一人でいるところへドン・ペドロ配下の者がやってきてサンシェットをコンスタンスと勘違いして連れ去ろうとする。そこへ父親のドン・モリッロがきて、人違いだと分からせる。ドン・ペドロ配下の者たちは城内でアラミールことフォワ公爵たちと戦闘になり、負傷して退散する。コンスタンスとレオノールがアラミールを心配しているところへ、アラミールがやってきて敵たちはすべて退散させたと報告する。コンスタンスはアラミールに感謝して、自分がナヴァールの王女であると告白し、自分たちの敵はドン・ペドロだけではなくて、フォワ公爵も宿敵なのだと説明する。そこへ領主のドン・モリッロが来て、フォワ公爵の配下の者たちによって城が制圧されたと知らせる。フォワ公爵配下の将校が来て、フォワ公爵の命令により、王女の命を守るために来ていると説明する。

第三幕

アラミールに心惹かれるコンスタンスは、アラミールの家臣のエルナンに彼が何者なのか問いただすが、エルナンは王女の味方だというだけで、はっきりと答えない。だがコンスタンスとレオノールはアラミールの勇気、武勲、口調、物腰から、きっと王族だろうと話す。ところがそこへコンスタンスが王女だということを知ったサンシェットがやってきて、自分を愛しているアラミールとともに王女に仕えたいと申し出たことから、コンスタンスはアラミールが自分を裏切ったと思い込む。そこへドン・ペドロが遣わした軍との戦いに勝利したアラミールことフォワ公爵が凱旋してくる。アラミールをサンシェットと結びつけてやろうと申し出たコンスタンスとのやり取りの中で、アラミールは自分はフォワ公爵であり、自分が愛しているのは王女コンスタンスであると告白する。誤解が解け、領主や領主の娘にも真実が分かる。


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