『プロセルピーヌ』

Proserpine

台本/キノー
音楽/リュリ
ジャンル/音楽悲劇
初演/1680年
再演/1699年1715年
1727年41年58年

解説

キノーは、二年前に『イジス』によってモンテスパン夫人の不興をかって台本作家から下ろされていたが、ル・ヴォワザン夫人による毒殺事件にからんで嫌疑を受けたモンテスパン夫人の失脚によって、オペラの台本作家として返り咲いた。キノー復帰第一作目のオペラである。

プロローグ

舞台は不和の女神の洞窟で、そこに平和の女神が鎖につながれており、彼女と一緒に、至福の女神と豊穣の女神、遊びと喜びの神々も鎖につながれている。 鎖につながれた平和の女神が、早く自分たちを不和の女神の隷属状態から解放してくれと英雄(ルイ14世)に訴えかける。不和の女神は、英雄を新たな戦闘に赴かせるつもりだから、彼はやっては来ないと答える。だが勝利の女神が降りてきて、平和の女神たちを鉄鎖から解放し、かわりに不和の女神を鎖につなぐ。不和の女神の足下に深淵が口を開いて、彼女はそこに落ちていく。不和の女神の恐ろしい隠棲の地は、心地よい宮殿に変わる。そこで勝利の女神と平和の女神は英雄を祝福する。合唱が喜びと遊びの時が来たことを知らせる。

第一幕

舞台はシチリアのエトナ山の近くのセレスの宮殿。豊穣の女神セレスが、シチリア河の神クリニーズたちと平和が戻ってきたことを喜び、神々を打ち倒そうとした巨人に勝利したジュピテルを称えている。
天からメルキュールが降りてきて、フリジアにも豊かな実りをもたらしてやってほしいというジュピテルからセレスへの伝言を伝える。セレスはかつて自分を愛してくれたジュピテルがもう戻ってきてはくれないので失望する。メルキュールはジュピテルの代わりに言い訳をして、天上に帰る。
(←)セレスはジュピテルとの間にできた娘のプロセルピーヌを残して出発することを、ニンフのアレトゥーズに伝える。アレトゥーズのほうは、河の神アルフェのしつこいラブコールに屈しそうなので、シチリアから離れたいという希望を打ち明けるが、セレスは拒否をして、逆にアルフェの愛を受け入れることを約束させる。じつはアレトゥーズもアルフェを愛しており、それに抵抗できないのを怖れて、アルフェを見ると逃げようとする。アルフェは彼女を止めて、プロセルピーヌを好きになったから、アレトゥーズのことは諦めることにしたと告げる。
シチリアの住民や森・水の神々やニンフたちのまえで、プロセルピーヌは悲しい知らせとしてセレスの出立を知らせる。セレスは急いで帰ってくるからと一同を安心させ、留守の間プロセルピーヌを見てくれるようにと頼んで、翼を持つ龍に曳かれた車に乗って出発する。
一同が巨人たちに勝利したジュピテルを称えて立てたトロフィーの周りで踊っていると、地震が起こり、セレスの宮殿の一部が崩壊する。恐れおののいたプロセルピーヌはジュピテルに助けを求めると、雷がエトナ山に落ち、神々に反抗しようとする巨人たちの頭を打ちのめす。

第二幕

舞台はセレスの庭園。アルフェが河の神クリニーズにアレトゥーズを諦めきれないと告白する。プリュトンの手下のアスカラフが地獄から出てきて、自分がアレトゥーズに夢中になっていること、そして自分の方が彼女から愛されるだろうと、アルフェに言う。アルフェは嫉妬にかられ、アスカラフがお前を探しているとアレトゥーズに知らせる。アレトゥーズはアルフェが本当にプロセルピーヌに夢中になっていると信じるふりをする。アスカラフはアレトゥーズに期待はしてないけどアレトゥーズを愛していると告白する。プリュトンが来ることを知らせる。
プリュトンがやってきて、アルフェだけを遠ざけ、プロセルピーヌに会わせろとアレトゥーズに言う。アレトゥーズはプロセルピーヌは愛からいつも逃げてばかりいると返事する。プリュトンが急にプロセルピーヌに会いたいと言い出したので、驚いているアスカラフに対して、プリュトンはプロセルピーヌを見初めた次第を説明する。プリュトンとアスカラフは隠れて、プロセルピーヌやニンフたちが歌ったり踊ったりするのを見ている。プロセルピーヌとシアネがセレスのための花を摘んでいると、プリュトンが地獄から地獄の神々を呼び出し、プロセルピーヌを誘拐して、地獄に連れ去る。一人残されたシアネの手にはプロセルピーヌのスカーフが残されていた。

第三幕

舞台は火を噴くエトナ山とその周辺。アルフェ、アレトゥーズたちがプロセルピーヌを呼ばわるが無駄である。アレトゥーズはプリュトンを警戒しなかったことで自分を責める。彼女はプロセルピーヌを取り戻すべく地獄に下りる決心をする。アルフェも一緒に行くといって励ます。アルフェとアレトゥーズが地獄に下りるのと入れ替わりに、セレスが天上から戻ってくる。セレスはプロセルピーヌに再会できることを楽しみにしているが、いくら呼んでもやってこないので、身を隠していたニンフたちに問い詰めるが応えない。ついにシアネがプロセルピーヌは連れ去られたことを話すが、その犯人を言いかけたときに、声を失って葦になってしまう。悲しみに突き落とされたセレスは、きっと自分の幸せを嫉妬した神々やその母親たちの仕業に違いないと考え、怒りを爆発させて、シチリアの民衆や神々の止めるのも聞かずに、エトナ山の火で松明を燃やし、豊穣の女神として大地に豊かに実らせた小麦を燃やしてしまう。

第四幕

舞台はエリゼの広場。幸せ亡霊たちの合唱が彼らの幸福な日々を歌う。プロセルピーヌがそれを中断して、失われた自由を嘆く。アスカラフと亡霊たちはプリュトンを愛するようにプロセルピーヌに勧める。アレトゥーズとアルフェがプロセルピーヌのところへやってくる。彼らはプロセルピーヌをなだめようとするが、彼女がもう二度と地上には戻れないのかと問うと、アスカラフが地獄の果実を食べたから、二度と戻れないと説明すると、プロセルピーヌは彼女に果実を食べさせたアスカラフを激しく非難し呪う。アスカラフはみみずくに変身して、飛び去る。プロセルピーヌはプリュトンに帰らせてくれと懇願する。プリュトンは地獄の生活も捨てたものではないといろいろいいことを述べ立て、プロセルピーヌが地獄を受け入れるように頼む。プリュトンが号令をかけると、地獄の神々や幸せ亡霊たちがプロセルピーヌを新しい女王と称え、踊りや歌で喜びを表す。

第五幕

舞台はプリュトンの宮殿。プリュトンはジュピテルが彼の愛に横槍を入れ、プロセルピーヌを返すように言っていることに不満を募らせる。三人の地獄の審判やフリアイたち(→)の合唱がプリュトンの気持ちを代弁し、ティタンを解き放って世界を破滅させようとまで過激に言い放つ。
舞台は変わって、寂しい場所になる。娘を失ったセレスが絶望に沈み込んでいる。そこへアルフェとアレトゥーズが地獄から戻ってきて、セレスに事の次第を話す。それを知ったセレスはジュピテルにどうにかして欲しいと呼びかける。

セレス
あの子は私の娘であると同時にあなた様の娘でもあるのです。

そこへメルキュールが降りてきて、天上の神々の決定を伝える。プロセルピーヌがプリュトンと夫婦になることは破棄することができないので、その時間をプリュトンとセレスの間で分け合うことで地上にも戻ることができるようにするというものであった。ジュピテルが天上から現われて、メルキュールが伝えたことを確約する。最後に、神々の申し合わせが再び確立したことを祝う一同の踊りと歌で終わる。

ディスコグラフィ

GLOSSA B001CZ6COU
オーケストラ/ル・コンセール・スピリチュエル
指揮/エルヴェ・ニケ
プリュトン/Joao Fernandes
プロセルピーヌ/Salome Haller

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