『ロラン』

Roland

台本/キノー
音楽/リュリ
ジャンル/音楽悲劇
初演/1685年
再演/1690年1705年08年
1716年17年43年55年

プロローグ

舞台は、妖精たちの王で大地の第一精霊であるデモゴルゴンの宮殿で、彼は精霊たちの一団と妖精たちの一団に囲まれて、王座に座っている。デモゴルゴンが、偉大な勝利者(ルイ14世)のおかげで、荒廃し、みなのものが戦々恐々の様子をしていたこの地にも、平和が戻ってきたと告げ、遊びの神々や喜びの神々を呼び戻すように、妖精たちや精霊たちに呼びかける。そしてわれわれに平和を取り戻してくれた英雄に、ロランの物語をしてお聞かせしようと告げる。

第一幕

舞台は小集落。カテイの女王であるアンジェリックのもとへ、シャルルマーニュの甥で最も高名な遍歴騎士であるロランが、東方から使いを立てて貴重な贈り物を持ってこさせたというのに、アンジェリックはそれにはお構いなしに身分違いの愛ゆえに、愛と誇りのあいだでの動揺を侍女のテミールに告白する。アンジェリックが愛しているのは、メドールなのだ.テミールは、メドールなどという血筋もはっきりしない、あるアフリカの国王の従者を、女王ともあろうものが愛してしまったので、驚く。テミールはアンジェリックにメドールを遠ざけるように助言する。
二人が立ち去ると、メドールが現われ、アンジェリックへの身分違いの愛の苦しみを独白する。再びアンジェリックとテミールが現われ、アンジェリックはメドールが自分に絶対服従するかとどうかと問いただす。もちろんどこまでも、と答えたメドールに、アンジェリックは苦悩を隠して、今すぐ発って、自分から遠く離れるように命ずる。アンジェリックに嫌われたと思い込んだメドールは、死ぬしかないと言いつつ、発つ。
テミールと二人きりになると、アンジェリックは後悔を抑えることができず、メドールを呼び戻してくれと言っては、彼が戻ってきたらどうしようと、完全に自分を失ってしまう.
ロランが東方から使わしたジリアントが贈り物のブラスレットをもってアンジェリックのもとに現われる。東方の島々の民衆が歌い踊る中、ジリアントはプレスレットをアンジェリックに渡す。

第二幕

舞台は愛の神の魔法の泉がある森の中。メドールを追放したが、彼への愛を消すことができず苦しみアンジェリックはテミールを連れて、愛を憎しみに変えてくれるという泉を探してこの森にやってきたのだが見つからず、結局二人は愛の泉のほうにたどり着く。そこへロランが現われる。彼に会うのを嫌って、アンジェリックは魔法の指輪を口に入れて自分の姿を見えなくする。そこにいたはずなのにアンジェリックの姿が見えないので、ロランは呼びかけるが無駄である。自分が仕える王を無援のままに放ったらかしてまでアンジェリックに尽くそうとしているのに、自分の愛に応えてもらえず、ロランはアンジェリックを諦めようとするが諦めきれずに立ち去る。再びテミールの前に姿を現したアンジェリックは、もはやメドールのことしか考えられない。
メドールがやってきて、絶望のあまり自分の剣で死のうとする。それを制止したアンジェリックにメドールはアンジェリックとともに生きていけないのなら死ぬしかないと話すと、今度はアンジェリックが意を決してメドールに愛を告白する。
愛の神、キューピッドの一団、ニンフたちが登場して、二人を祝福して、愛の賛歌を歌い踊る。空を飛ぶ、愛の神とキューピッドたちに先導されて二人は退場する。

第三幕

舞台は港で、テミールが、メドールとともに国を統治することをアンジェリックから聞いた家臣たちが、メドールを新しい主君として称えるために待っていると教える。だが、メドールはロランがそれを知ったら激怒するのではないかと怖れている。
ロランとアンジェリックがやってくる.テミールとメドールは離れたところから聞き耳をたてる.ロランがアンジェリックにしつこく言い寄り、アンジェリックはしかたなく、愛を受け入れたふりをする。そしてアンジェリックに愛されていると思い込んだロランに、彼女は決しておおっぴらにこのことを言いふらしたりしないで欲しい、自分の誇りも尊重して欲しいと頼む。
ロランが立去ると、メドールが絶望に襲われて現われる。アンジェリックはテミールをロランの監視に行かせ、二人になると、メドールの命を守るために、ロランの愛を受け入れたふりをせざるを得なかったのだと説明し、メドールをなだめる.二人は遠く離れたところで幸せに生きるために、自分を大事にしようと歌う。アンジェリックは家臣たちを集め、メドールを主君として紹介すると、家臣たちや民衆が彼を王座に座らせて、歌や踊りで祝福する.

第四幕

舞台は洞穴のある牧草地.アンジェリックが自分を受け入れてくれたと信じているロランは、その幸福に酔いしれ、友人のアストルフが、愛に打ち勝って、栄光の道に進むべきだという助言しても、やっと手に入れた愛の絆を捨てることはできないと断るだけでなく、アンジェリックが来るかもしれないから、一人にしてくれと、アストルフを追払ってしまう。
一人になったロランは早く夜になってアンジェリックと再会できればと焦る気持ちを吐露する。洞窟に詩が刻まれているのに気づき、それを読む.それは愛を誓ったアンジェリックとメドールが刻んだものだった。この詩によればアンジェリックはメドールとかいう男に愛を誓ったことになるが、ロランはそれがとても信じられない.そこへ翌日結婚をすることになっているコリドンとベリーズや二人を祝福する羊飼いの男女の一団とともにアンジェリックがやってくるが、ロランは彼女に気づかないで、立去ってしまう.
羊飼いたちが心変わりせぬ愛の幸福を歌う。アンジェリックを探していたが見つからなかったので、ロランが戻ってくる。ロランがコリドンとベリーズにアンジェリックとメドールのことを知らないかと尋ねると、二人はアンジェリックとメドールの恋の物語をして聞かせる。そのあと二人はどうしたのかと尋ねると、ベリーズの父親に頼んで、一番近くの港に連れて行ってもらったと言う。そこに父親が戻ってくる。
父親のテルサンドルはコリドンとベリーズに、アンジェリックとメドールが幸せそうに港から出発したばかりだと話す。それとなく聞いていたロランは、自分が裏切られたことを知り、自分の愛を受け入れるといったアンジェリックの言葉はすべてが嘘だったとことを知り、絶望に陥り、最後にはアンジェリックとメドールを祝福する羊飼いたちを脅して、立ち退かせる.ロランは一人になると、怒りに身を任せ、復讐を誓う.

第五幕

舞台は妖精ロジスティーユの宮殿。狂ったロランの友人であるアストルフがロジスティーユにロランを助けてやって欲しいと懇願する。アストルフを遠ざけると,眠っているロランの周りを妖精たちが踊る儀式をしている間、ロジスティーユは理性に戻ってくるように呼びかけ、また古代の英雄たちの亡霊にも助けを呼びかける。
ロランが目を覚ます.理性を取り戻したことによって,血迷い、狂乱し,激怒した自分の姿を思い出し,自分の惨めな姿に絶望する.ロジスティーユが今こそ栄光への道に立ち戻るときだと諭すと,ロランは立ち直りを見せる。栄光の女神、恐怖の女神,名声の女神が現われ、ロランを勇気づける。

ディスコグラフィ

AMB 9949
オーケストラ/Les Talens Lyriques
指揮/クリストフ・ルセ
ロラン/ニコラ・テステ
アンジェリック/アンナ=マリア・パンツァレッラ
メドール/オリヴィエ・デュメ
テミール/モニク・ザネッティ
アストルフ/ロバート・ゲッチェル

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