『栄光の神殿』

Le Temple de la Gloire

台本/ヴォルテール
音楽/ジャン=フィリップ・ラモー
ジャンル/オペラ=バレ
初演/1745年
再演/1746年

解説

1745年11月25日,ヴェルサイユ宮殿の,グランテキュリ劇場で,フォントノワの戦いの勝利を祝するために初演された.
ヴェルサイユ版のスコアは消失したものと考えられてきたが,バークリー音楽図書館で発見された.このスコアはヴェルサイユで行われた上演のために編纂された台本に製本されていた.
この作品は1746年に王立音楽アカデミー(オペラ座)で再演されたが、かなりの書き換えが加えられた.

第一幕

舞台は妬みの女神の洞窟を表す。洞窟の入り口を通して,舞台奥にある栄光の神殿の一部が,また両翼にはムーサたちの樹木のアーケードが見える.
妬みの女神が自分の住処の近くに栄光の女神の神殿が建てられたことに激怒している。彼女はフリアイたちに神殿を破壊してしまうように命ずる。
アポロンが現れて,妬みの女神を制止しようとするが、彼女は逆にアポロンに刃向かおうとする。アポロンはムーサたちに妬みの女神の洞窟の近くの丘で歌うように命ずる.すると妬みの女神の洞窟が消える.ムーサたちは歌を歌って彼女たちの魅力を広げようと,歌ったり踊ったりする.

第二幕

舞台はムーサたちの村を表す。舞台の両袖はパルナッソスの二つの丘になっている.リディアとアルシーヌは,栄光の女神が最大の英雄としてベリュスに月桂冠を与えることに不安を感じている。栄光の女神に捧げられた羊飼いの男女が出てきて、歌と踊りで彼女たちの不安を取り除こうとする.
ベリュスが征服した国々の国王が担ぐ玉座に座って登場する.戦や死を歌う陰気な兵士たちがついてくる.自分を裏切ったことを嘆くリディアにベリュスは,栄光の女神への奉仕としてしていることだと彼女を振り切ろうとする.だがリディアは,栄光の女神はもっと人間的であって,あなたは自分の野蛮さに似せて栄光の女神を歪めているのだと非難する.
そのときアポロンが降りてきて,羊飼いたちには怪物を鎮めるように、愛の神にはこの地を愛によって教化するように命ずる.
ベリュスが神殿の前に着くと、まだ神殿が開いていない。羊飼いたちがベリュスが恋人を裏切ったからだと非難すると,ベリュスは自分を非難する人間がいることに苛立つ.アポロンがベリュスに懲罰を与えようとすると、彼は神に対してさえも反抗しようとする.

第三幕

舞台は栄光の神殿への並木道とその正面扉を表している。栄光の女神が最も偉大な人間として指名する予定の者のために準備した玉座が舞台後ろに見える;この玉座を徳の神々が守っている.そこにはいくつかの踏み段を通って上がるようになっている.
栄光の女神の神官長が神官たちとともに現れ,この代で最高の英雄に栄冠を与えるように栄光の女神に呼びかける.
バッカスの従者や巫女たちが現れ,バッカスの到着を予告する.神官たちは神殿に入り扉を閉めてしまう.
バッカスとエリゴーヌが,兵士たち,巫女たち、アイギパンたち,サチュロスたちに取り囲まれ,虎たちが曳く車に乗って登場する.バッカスは理性を捨てて,楽しもうと歌う.エリゴーヌは情熱を強めるには理性が必要だと歌う.二人は栄光の女神の神殿があることに気づき、従者の話から,バッカスがその栄冠を受けるのだと大喜びする.すると神殿の扉が開き、神官長がでてきて,二人を制する.神官長から自分が栄冠を射止めたのではないと知り、バッカスとエリゴーヌは「われらの欲求のままに,栄光の神殿から喜びの神殿へ,大地を巡ろう」と歌って退場する.

第四幕

舞台は半分廃墟と化したアルタクサートの町を表す。その中に,戦利品で飾られた凱旋門をもつ広場がある.プロティーヌがトラヤヌスの帰還を願って歌う.舞台に見える凱旋門はプロティーヌが彼の帰還を願って建てたものなのだという.ついにトラヤヌスが戻ってくるが,かれはマルスの呼びかけに応じて,またすぐに出て行かなければならないという.ベリュスが打ち倒した五人の王をけしかけて,自分を打ち倒しに来ている.トラヤヌスは義務の声にしたがって彼らを征伐に出発する.残されたプロティーヌがマルス神の従者やヴェニュス神の従者たちと天に呼びかけていると、トラヤヌスが打ち倒した王たちを引き連れて凱旋してくる.栄光の女神が玉座を彼に授ける.祝福の歌と踊りで第四幕は終わる.

第五幕

ディヴェルティスマンの幕である.舞台は変わり、幸福の神殿を表す.ローマ人男女の歌と踊り、トラヤヌスが登場して、自分が受けた栄光への返礼は神々に向けてくれと呼びかける.いろいろな集団がすべてトラヤヌスとプロティーヌの周りで踊りを再開して,全体のバレによって祝祭は終わる.

『栄光の神殿』

最初に戻る
年表に戻る
INDEXに戻る

inserted by FC2 system