『ティトンとオロール』

Titon et l'Aurore

台本/ラ・マール/ヴォワズノン
音楽/ジャン・ジョゼフ・モンドンヴィル
ジャンル/英雄牧歌劇
初演/1753年
再演/1763年、64年、68年

解説

1752年8月にリュリの『アシスとガラテ』の幕間劇としてペルゴレージの『奥様女中』が上演され、これを機にイタリア音楽とフランス音楽の優劣を争う「ブッフォン論争」が勃発する。イタリア音楽として上演されるのは、オペラ・ブッファばかりであったが、これに対抗するためにフランス音楽派の要請を受けて、当時のコンセール・スピリチュエルでモテットがたいへん人気があったモンドンヴィルに白羽の矢がたてられ、ラ・マール師が書いたとされる詩にヴォワズノンが手直しをして、モンドンヴィルの音楽をつけて上演されたのが『ティトンとオロール』である。序曲から非常に生き生きとした音楽で、聞くものを惹きつける。モンドンヴィルはバイオリニストとしてデビューしたが、1738年ころからモテットの作曲もするようになり、モテットで人気を博した。コンセール・スピリチュエルの運営をするようになり、1758年にはフラス語歌詞による初めてのオラトリオも演奏している。

プロローグ

ジュピテルと対立するプロメテウスが石の彫像に過ぎなかったものたちに火を与えて人間にした。プロメテウスは誕生した人間たちに最良の人生を与えるために愛の神を紹介する。愛の神は愛こそが神々をも凌駕することができると教える。

第一幕

羊飼いのティトンは夜明けの女神オロールと熱愛している。ティトンはオロールを待っているあいだ、熱愛しているがゆえに、オロールに疑いをいだいてしまう。それはティトンが人間で、命に限りがあるせいなのかもしれない。ティトンをなだめるオロールの優しさが、至福の時を作るが、エオール(風の神アイオロス)の到着によって、乱される。エオールはオロールを愛しており、ティトンに嫉妬しており、復讐してやろうと思っている。そこにパレスが現れる。彼女はティトンに惚れており、オロールをライバルと思っている。パレスはエオールの復讐を手助けして、ティトンとオロールを引き裂いてやろうとする。エオールと風の神々がティトンを連れ去ってしまう。

第二幕

オロールはエオールからティトンがもういないと知らされて嘆き悲しむが、決して心変わりすることはない。ティトンを連れ去ってもオロールが忠実な心を捨てようとしないのを知って、エオールとパレスは焦る。エオールが手下を使ってティトンを殺そうとするので、パレスはティトンへの愛を告白し、やめさせようとする。パレスはティトンを自分に向けさせるために最後の努力をしてみるからとエオールを抑える。パレスはティトンのところへ行き、彼の気持ちを変えさせようとするが、できなかったため、彼を老人にしてしまう。

第三幕

ティトンは目もよく見えない老いぼれた姿になっている。そこへオロールがやって来て、声からティトンだと分かり、驚く。ティトンはエオールとパレスがそれぞれ嫉妬して、二人を引き裂くためにこんなことをしているのだと教える。それに驚いたオロールは愛の神に助力を懇願する。愛の神がやってきて、決して愛を捨てることがなかった完璧な恋人たちのために手を貸し、ティトンは神になって、二人の愛を永遠のものにしてやる。

ディスコグラフィ

ERATO 2292-45715-2
合唱・オーケストラ/Ensemble Vocal Francoise Herr
指揮/マルク・ミンコウスキー
ティトン/フーシェクール
オロール/カトリーヌ・ナポリ
エオール/フィリップ・ユタンロシェ
パレス/ジェニファー・スミス
愛の神/アンヌ・モノイオス

『ティトンとオロール』の序曲とプロローグ

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