『諸芸術の勝利』

Le Triomphe des Arts

台本/ラ・モット
音楽/ミシェル・ド・ラ・バール
ジャンル/オペラ=バレ
初演/1700年

解説

このオペラ=バレエは、5つの諸芸術をタイトルにして、様々な恋愛を描き出したもので、第五アントレの「彫刻」でピグマリオン神話が描かれているが、1748年のラモーの『ピグマリオン』と同じく彫像が生命をもつという、いかにも舞台芸術に合った内容になっている。またこの頃から多数のピグマリオンものが絵画で描かれるようになる。またこのアントレはブフォン論争において、フランス・オペラ支持者たちが巻き返しのためにモンドンヴィルに作曲させた『ティトンとオロール』のプロローグとして用いられた。
ミシェル・ド・ラ・バール(上の写真)は、フラウト・トラヴェルソの優れた奏者として高い評価を受けていた人で、1703年から30年まで、王のエキュリとシャンブルの演奏家であった。オペラ座オーケストラには1700年ころには入っていたらしい。三回にわたってトリオ・ソナタ集を出版している。またオペラ作曲家としては、アンドレ・カンプラの影響が明瞭であるという。

第一アントレ「建築」

舞台は、諸芸術の神アポロンのために建てられたばかりの神殿。
アポロンの神殿を建設した人々がアポロンの栄光を歌っていると、ヴェニュスが来て、諸芸術に本当に貢献したのは愛の神だから、彼の栄光を祝福しなさいと言う。するとアポロンが来て、諸芸術の主という肩書はフランスの王に贈るべきだと提案すると、ヴェニュスも同意する。最後にグラティアエたちが愛の神を歌う。

第二アントレ「詩」

舞台はヴェニュスの神殿。
サッフォーが愛の神は私たちの思いを騙すことしかしないから、私は浮気者を追い回すことしかできないと愛の苦悩を歌う。ヴェニュスの女神官たちがやってきて、ヴェニュスの支配を呼びかけ、彼女の王国は最高だと歌う。女神官はサッフォーの苦悩はもうじき終わると知らせる。しかしサッフォーが愛しているファオンがやってきて言い争いになり、サッフォーは自死によって復讐してやろうと海に飛び込む。ネプチューンが現れて、サッフォーは記憶の娘たちのもとに戻ったと知らせる。

第三アントレ「音楽」

舞台は砂漠。途中でテーバイの町に変わる。
アンフィオンは玉座を愛する人に贈りたいと思っている。メナールが彼の声の力を使うようにアドバイスする。アンフィオンは自分の栄光と愛のために働いてくれるようにジュピテルに頼む。場面が変わって、テーバイの町になる。アンフィオンはニオーブにここで新しい王国を始めるように勧めるが、ニオーブはアンフィオンがくれた力を無駄だと思う。未開人たちがアンフィオンとニオーブの二人がこの王国を統治するように称える。

第四アントレ「絵画」

舞台はアレクサンドルの宮殿内のアペルの画室。
画家のアペルはカンパスプの肖像画を描いているが、彼女はそれがアレクサンドルの愛情を強めてしまうのではないかと心配している。カンパスプはアレクサンドルではなくて、アペルを愛しているからだ。アペルがやってきて、カンパスプの美しさを讃え、愛を告白する。カンパスプが何も答えないので、アペルは彼女がアレクサンドルを愛しているのだと考えて、嫉妬する。そこでカンパスプのため息はアペルのためだと分からせると、彼は彼女を足元に身を投げる。ちょうどそこへアレクサンドルが来て、裏切られたと知り、アペルを殺すと威嚇する。カンパスプが間に入って、二人が愛し合っていることをアレクサンドルに受け入れさせようとする。その時、アレクサンドルは嫉妬心に打ち勝ち、二人の結婚に同意する。アペルは生徒たちに幸福を祝福するように呼びかけ、それに外国から来た人々も加わる。

第五アントレ「彫刻」

舞台は、ピグマリオンのアトリエを表し、その中央に彼が魅了されている彫像がある。
ピグマリオンは、自分が作った彫像に恋してしまったことを嘆いている。プロポイトスの女は自分のライバルが彫像であることに激怒する。ピグマリオンは自分を愛するのはやめて、ここから逃げてくれとプロポイトスの女に懇願するが、彼女はピグマリオンを愛して苦しめ続けてやると言う。ピグマリオンはヴェニュスに懇願して、自分の愛を終わりにするか、彫像に生命を与えるか、どちらかにして欲しいと言う。ヴェニュスが現れ、彫像に生命を与えて、ピグマリオンを愛するようにしてやると答える。プロポイトスの女がヴェニュスに激怒したので、ヴェニュスは彼女を石に変えてしまう。愛の神が彫像の前を松明をもって飛ぶと、彫像が生命を持つ。彼女はピグマリオンに恋をする。二人で幸福を歌う。

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