『ゾロアストル』

Zoroastre

台本/カユザック
音楽/ラモー
ジャンル/音楽悲劇
初演/1749年
1756年のパリ版を使用

あらすじ

『ゾロアストル』はフランス・オペラの伝統であったプロローグを廃止して最初のオペラである。序曲において劇の内容を予知させることで、序曲と劇が有機的に結びつけられている。序曲は、二つの部分から構成され、最初の部分は、アブラマーヌの野蛮な権力と、そのもとで抑圧される民衆のうめきの絵図である。第二の部分は、ゾロアストルの善をほどこす力と、彼によって解放された民衆の生き生きとしたイメージである。

第一幕

 アブラマーヌとゾピールはアメリートに対する陰謀を画策する。次の場面で彼はエリニースと同盟を結ぶ。彼女も復讐を熱望しているからだ。アブラマーヌの援助のおかげで、エリニースは王妃となるだろう。だが彼と権力を共有するという条件でのことだ。民衆はアメリートを祝福し、彼女の愛の苦悩を慰める。だがエリニースの到着によってこの祝福は中断される。エリニースがアブラマーヌから移譲された権力の力によって、王女アメリートの従者たちを押しつぶし、邪悪な者たちをそそのかして彼女を苦しめようとしたのだ。

(1749年版は1756年版と同じ)

第二幕

舞台は善の支配する世界で、ゾロアストルは郷愁に満ちたモノローグでアメリートを歌う。オロマセがやってきて、バクトリア国で起きた出来事やアメリートがさらされている危険について知らせる。彼はゾロアストルに祖国を救うために出発するように勧める。ゾロアストルを囲む善の精霊たちもダンスと歌で彼に出発を勧める。ゾロアストルがバクトリアに到着してアメリートを救出する。ゾロアストルとエリニースの激しいやりとりのあと、ディヴェルティスマンになってゾロアストルとアメリートと民衆が再会を祝う。

(1749年版)場所はゾロアストルの追放の地。穏やかな日々が続いているのだが、ゾロアストルはアメリートの不在を悲しんでいる。オロマセがゾロアストルに悪からバクトリア国と世界を解放するようにと訴える。

第三幕

アブラマーヌとエリニースの言い争いで始まる。アブラマーヌは第一幕で彼女に与えていた魔術の力を奪いとってしまう。アブラマーヌは冷静で打算づくの悪を考えていたのに、エリニースのゾロアストルにたいする憎悪が激しすぎると非難する。アブラマーヌがゾロアストルとアメリートの祝福のディヴェルティスマンを中断し、ゾロアストルとアブラマーヌの手下たちの戦いが幕間に展開する。(音楽によって示される。)

(1749年版)バクトルの町の外に広がる田舎が舞台。町の城壁のなかでは民衆が不幸を嘆き悲しんでいる。ゾロアストルが戦車に乗ってやってきたので、民衆のあいだにパニックが広がる。ゾロアストルは宮廷人のゼリーズからアメリートの悲しい宿命を知らされる。ゾロアストルは魔術の力でエリニースの宮殿の壁を崩壊させると、アメリートがエリニースに短剣で威嚇されている。エリニースと邪悪な精霊たちはゾロアストルを見て消えてしまう。ディヴェルティスマンになってゾロアストルとアメリートが再会を祝っていると、アブラマーヌの到着によって中断される。ゾロアストルとアブラマーヌの手下たちの戦いが幕間に展開する。(音楽によって示される。)

第四幕

舞台はアブラマーヌの宮殿。ゾピールが彼の手下たちの敗北を知らせる。エリニースがやってきて、ゾロアストルとアメリートが幸せに結ばれたではないかとアブラマーヌの失敗をなじる。アブラマーヌがもっと強力な力を得るために悪の力に捧げる儀式が行われる。復讐、妬み、憎悪といった寓話的登場人物が現れ、彼に勝利を約束し、魔法の武器を与える。

(1749年版は1756年版と同じ)

第五幕

エリニースは後悔して、ゾロアストルに会い、彼のために危険が用意されていると知らせる。彼女は彼にもう一度愛していることを伝えるが、ゾロアストルは拒否して、怒りを募らせる。ゾロアストルは廷臣のセフィーからアメリートが再び拐われたことを知る。アブラマーヌが登場して、エリニースには王座をちらつかせ、またゾロアストルにはアメリートを殺すように威嚇する。ゾロアストルは全の力を呼び起こして、アブラマーヌと彼の従者たちを滅ぼす。オロマセがアメリートを連れて登場し、これこそゾロアストルの誠意が善の力に通じた証拠だと知らせる。ゾロアストルとアメリートの婚礼とディヴェルティスマンで幕が降りる。

(1749年版)第三幕でゾロアストルとアメリートが再会を祝っている場面から始まる。アメリートはバクトリア国の王妃となる。だがアブラマーヌと彼の従者たちを伴ってやってきたエリニースを王妃とする声によって中断される。戦いの後、悪の力が崩壊する。こうしてゾロアストルとアメリートは結婚の絆によって結ばれ、民衆の喜びにで終わる。

ディスコグラフィ

Deutsche Harmonia Mundi BVCD-37005-7
合唱/ヘント・コレギウム・ヴォカーレ
オーケストラ/ラ・プティット・バンド
指揮/シギスヴァルト・クイケン
ゾロアストル/ジョン・エルウィス
アメリート/グレタ・デ・レイヘール
エリニース/ミーケ・ヴァン・デル・スルイス
セフィ/アニェス・メロン
アブラマーヌ/グレゴリー・ラインハルト

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